なず)” の例文
かくてぞ漸くに暮れ行く空の、コバルトの色なずみて、やがて暗く、かは誰の人顔も定かならぬ折柄、椽近く座を占めて仰ぐ軒端に、さり気ない釣忍の振舞いもなかなかに悪からず、眺め深いものだ。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)