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泥
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なず
ふりがな文庫
“
泥
(
なず
)” の例文
この疑問は一応当然の疑問であるように見えるけれども、結局は事物の外観に
泥
(
なず
)
んでそれの本質を究めようとしない者の言に過ぎない。
語られざる哲学
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
されど蕪村の句その影響を受けしとも見えざるは、音調に
泥
(
なず
)
みて清新なる趣味を欠ける和歌の到底俳句を利するに足らざりしや必せり。
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
学者が学問に
泥
(
なず
)
み、「学の蔽」(山鹿素行『聖教要録』)を覚らず、学が「知の戦」(西周『知論』)であることを忘れるという欠陥が
世界の一環としての日本
(新字新仮名)
/
戸坂潤
(著)
章一の幸福に満ちたたとえば風船玉のふわりふわりと飛んでいるような頭の一方の
隅
(
すみ
)
には、編輯長の怒りに対する恐れが黒い影となって
泥
(
なず
)
んでいた。
一握の髪の毛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
秋の木の葉が風に舞うように、春の
胡蝶
(
こちょう
)
が花に
泥
(
なず
)
むように、自由自在に空に向かって高くも低くも飛ぶことが出来る。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
大広間にはもう
楽
(
がく
)
の音が漂い、舞踏がはじまっていた。官舎の生活に
泥
(
なず
)
んでいた身には、ここの燭火も色彩も音楽も物の響きもあまりに印象が烈しすぎた。
頸の上のアンナ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
皆一列になまぬるい拍子を喜ぶ様になって、甚しいのは、前にも言った新古今あたりに
泥
(
なず
)
み寄ろうとして居る。
歌の円寂する時
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
唯
(
た
)
だ山が広く
且
(
か
)
つ深いことを示すに挙げたので、此場合之に
泥
(
なず
)
む必要の無いことは、三繋平を甲信武三州の界とした記事に
拘
(
かかわ
)
る必要の無いのと同じであろう。
秩父の奥山
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
これ皆町の息子親の呼んで当てがう女房を嫌い、
傾城
(
けいせい
)
に
泥
(
なず
)
みて勘当受け、
跡職
(
あとしき
)
を得取らずして
紙子
(
かみこ
)
一重の境界となる
類
(
たぐ
)
い、我身知らずの
性悪
(
しょうわる
)
という者ならずや
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
されども世俗の
見解
(
けんげ
)
には
堕
(
お
)
ちぬ心の明鏡に照らしてかれこれともに愛し、
表面
(
うわべ
)
の美醜に露
泥
(
なず
)
まれざる上人のかえっていずれをとも昨日までは
択
(
えら
)
びかねられしが
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
封筒の
表書
(
うわが
)
きは上等の唐墨で、筆跡も書家風というよりは、古法に
泥
(
なず
)
まないインテリ風で、中の文句に至っては、決して気違いや不良少年の
仕業
(
しわざ
)
ではありません。
笑う悪魔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
古く
泥
(
なず
)
んだ仕来りによって、「殿——」と仰がれていたその人の胸のうちほど複雑なものはあるまい。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
這
(
は
)
って行く。
脚
(
あし
)
が地に
泥
(
なず
)
んで、
一
(
ひ
)
と
動
(
うごき
)
する
毎
(
ごと
)
に痛さは
耐
(
こらえ
)
きれないほど。うんうんという
唸声
(
うめきごえ
)
、それが
頓
(
やが
)
て泣声になるけれど、それにも
屈
(
めげ
)
ずに
這
(
は
)
って行く。やッと
這付
(
はいつ
)
く。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
また、「いき」は色気のうちに
色盲
(
しきもう
)
の灰色を蔵している。色に
染
(
そ
)
みつつ色に
泥
(
なず
)
まないのが「いき」である。「いき」は色っぽい肯定のうちに黒ずんだ否定を
匿
(
かく
)
している。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
雪舟
(
せっしゅう
)
とか
光琳
(
こうりん
)
とか
文晁
(
ぶんちょう
)
とか
容斎
(
ようさい
)
とかいう昔しの巨匠の作に
泥
(
なず
)
んだ眼で杓子定規に鑑賞するから、
偶々
(
たまたま
)
芸術上のハイブリッドを発見しても容易に芸術的価値を与えようとしない。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
しかるにかのわが邦の人士は小成に安んじ、小庸に
泥
(
なず
)
み、みずから揚々然として得たりとし、わが事業終われり、残躯天の許すところ、楽しまずんばまたいかんせんと謡うものあり。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
悉ての者は数百年も、もつと前からもの伝習と迷信に
泥
(
なず
)
んだ虚偽の生活の中に深く眠つてゐた。
偶々
(
たまたま
)
少数の社会主義者達が運動に従事しようとしても、芽ばえに等しい勢力ではどうする事も出来ない。
乞食の名誉
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
凡庸とはいいながら
小智
(
こざかし
)
き
輩
(
やから
)
が、皇国の古伝説をはじめ、漢説、仏説、蘭説などをも
麤々
(
そそ
)
聞きとりて、さすがに仏説などには
泥
(
なず
)
まざれども、その諸説の是非、当否を分別することあたわざるがゆえに
通俗講義 霊魂不滅論
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
徒
(
いたずら
)
に新に
趨
(
はし
)
るも不可なれば、徒に旧に
泥
(
なず
)
むるまた不可である。
婦人問題解決の急務
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
されど蕪村の句その影響を受けしとも見えざるは、音調に
泥
(
なず
)
みて清新なる趣味を欠ける和歌の到底俳句を利するに足らざりしや必せり。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
風俗を見ることは、之に
泥
(
なず
)
むことに終る方が多いというのが、風俗感覚の芸術的弱点だ。夫は一般に感覚主義や又狭くエロティシズムの弱点ともなるものである。
思想と風俗
(新字新仮名)
/
戸坂潤
(著)
現に、時に誇る藤原びとでも、まだ昔風の夢に
泥
(
なず
)
んで居た南家の
横佩
(
よこはき
)
右大臣は、さきおととし、
太宰員外帥
(
だざいのいんがいのそつ
)
に
貶
(
おと
)
されて、都を離れた。そうして今は、難波で謹慎しているではないか。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
“泥”の意味
《名詞》
(どろ)水気を多く含み粘り気のある土。
(出典:Wiktionary)
“泥”の解説
泥(どろ、en: mud)とは、一般的には、水と混じった液状の土のことを指す。
(出典:Wikipedia)
泥
常用漢字
中学
部首:⽔
8画
“泥”を含む語句
泥濘
泥土
拘泥
泥亀
泥塗
泥酔漢
泥鰌
泥溝
金泥
泥水
泥酔
朱泥
泥海
泥炭
泥酔者
泥中
泥障
泥淖
泥棒
溝泥
...