“りん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:リン
語句割合
22.9%
17.0%
16.0%
11.8%
11.5%
8.6%
3.4%
2.2%
1.5%
1.2%
1.0%
振鈴0.2%
0.2%
凛然0.2%
凜々0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
輪鉦0.2%
電鈴0.2%
𥶡0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あか染みた、こわい無精髭が顔中を覆い包んでいるが、鼻筋の正しい、どこか憔悴やつれたような中にも、りんとした気魄きはくほの見えているのだ。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
スッと、内からかご塗戸ぬりどをあけて、半身乗り出すように姿を見せた人物を仰ぐと、青月代あおさかやきりんとした殿とのぶり、二十はたち前後と思われます。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すなわちSは硫黄、Bは硼素ほうそ、Fは弗素ふっそ、Pはりん、Hは水素、Kは加里カリー、Aはアルゴン、Cは炭素、Nは窒素、Vはバナジウムだ。
深夜の電話 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
ばうなはが七せんまうで一そく草鞋わらぢが一せんりんといふ相場さうばだからどつちにしても一にち熱心ねつしんうごかせばかれは六七せんまうけるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
私が勢のいゝ返事をすると、おふさは子供のやうな笑顏をしてりて行つたが、それから大分つても容易に門口かどぐちりんの音がせぬ。
金魚 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
水術のいんくとひとしく、あきらかに姿をみせた和田呂宋兵衛わだるそんべえ、九りん銅柱どうちゅうをしっかといて、夜叉やしゃのごとく突ッ立っていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二分ずつ、り減らされてゆくのではあるまいか——どうりんを絶した使い手にしろ、疲れぬ肉体というものを持っている筈がない。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なに、りん師範だって。そいつあ、えらいもンに見物されたな。ごあいさつせずばなるまい。おい、誰か行って、丁重ていちょうにお呼びしてこい」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
附いてる里親の愛に溺れ易いのを制するめに看護婦を迎へたりして其児そのこ家内中かないぢゆうが大騒ぎをして居る中へ、四歳よつになる三男のりんが又突然発𤍠した。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
行を送りて郭門かくもんを出づれば、孤鶴は秋旻しゅうびんに横たわる。環海は何ぞ茫々たる、五州はおのずからりんをなす。周流して形勢を究めよ、一見は百聞に超ゆ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
六々三十六りんを丁寧に描きたるりゅうの、滑稽こっけいに落つるが事実ならば、赤裸々せきららの肉を浄洒々じょうしゃしゃに眺めぬうちに神往の余韻よいんはある。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ハンドルには、号外の振鈴りんのようなものを、幾つも束にしてくくりつけているので、チリン、チリン、ジャラン、ジャラン、と、やかましい。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
号外のように、振鈴りんを鳴らしている。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
ねずみのぐたりとした帽子ばうしかぶつて、片手かたてつゑみぎ手首てくびに、赤玉あかだま一連いちれん數珠じゆずにかけたのに、ひとつのりん持添もちそへて、チリリリチリリリと、おほきつてらし
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
誰方どなたもしばらく。……あゝ、野山のやまえ、かはわたり、つるぎした往來わうらいした。が、うまれて以來このかた今日けふ今日けふほど、ひとなさけみたことおぼえません。」と、こゑ途絶とだえて、チリ/\とりんつた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
凛然りんとした名倉の父の気魄きはく、慈悲——そういうものは、お雪の言葉を通してもほぼ三吉に想像された。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
この少年の言葉には今までと違った凜々りんとした響があった。私は躍る心を押えながら、一層大きく眼をみはった。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
火遁の術は奇にしてあと尋ねかたし 荒芽山畔まさしずまんとす 寒光地にほとばしつて刀花乱る 殺気人を吹いて血雨りんたり 予譲よじよう衣を撃つ本意に非ず 伍員ごいん墓を
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
その心志の周旋するところ、日夜の郷往きょうおうするところ、その死してのち数十年、しかもその物、具存して、体魄たいはくりんより、気のるところを知る。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
とりわけりん派の蒐集しゅうしゅうがあって、今日特にやかましくいわれている宗達そうたつ光琳こうりんのものなど数十点集めておったほどの趣味家で、この点だけでも大したものであった。
鰻の話 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
少しりんでお小用が永いですから、急に止める訳にもいかず、此方を振り反って見て、「おいおい、そう引くな、少し待って呉れ」と言ってたというのです。
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)
○台南産業館陳列の顔水竜氏指導作品の三角りんのスリッパー
台湾の民芸について (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
袱紗ふくさ輪鉦りんを片手に
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
廊下には、開けられた無数の部屋の中から、けたたましい電鈴りんの音。
(新字新仮名) / 池谷信三郎(著)
かくて餘物よぶつるや。みな丘山きうざんもたゞならず、すなはみづかる。るにしたがうて、𥶡りんこと/″\むしむなもとつらぬく。もつ飛衞ひゑいぐ。先生せんせい高踏かうたふしてつていはく、汝得之矣なんぢこれをえたり
術三則 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)