“みち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ミチ
語句割合
31.7%
30.1%
22.7%
5.5%
道路1.6%
未知0.9%
往来0.8%
0.7%
0.5%
街路0.5%
0.4%
途中0.4%
途上0.3%
通路0.2%
道程0.2%
滿0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
方法0.1%
未見0.1%
用途0.1%
街道0.1%
往還0.1%
もる0.1%
三千0.1%
佛道0.1%
0.1%
0.1%
充実0.1%
充満0.1%
商法0.1%
小径0.1%
小徑0.1%
0.1%
径蹊0.1%
御路0.1%
有料道路0.1%
海驢0.1%
0.1%
県道0.1%
0.1%
船路0.1%
行程0.1%
行路0.1%
街上0.1%
見違0.1%
0.1%
跡程0.1%
路上0.1%
踪跡0.1%
0.1%
0.1%
道教0.1%
道筋0.1%
道義0.1%
道順0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
みちのわかるまで私の白い燈火あかりを見せましょう。路がわかっても、声を出さないで下さい。上へ行き着いた時にも呼ばないで下さい」
李一は小さいガラスの瓶に二疋の人魚を入れて、いまは全く夜になった海岸の町を指して帰ってゆくみちで、瓶の中からほそい声がして
不思議な魚 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
二人ふたりは、みせまえをはなれると、しました。ちょうどそのとき、横合よこあいから、演習えんしゅうにいった兵隊へいたいさんたちがみちをさえぎりました。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その最初の山路は、石を切り草を払うだけの労力も掛けない、ただの足跡であったのであろうが、獣すら一筋のみちをもつのである。
峠に関する二、三の考察 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
私の保護者は、自分の席にのぼつて、角笛つのぶえを鳴らした。さうして、私たちは、エル町の「石だらけの道路みち」を、がら/\と通つていつた。
けれどもそれはまったく、作者に未知みちえざる驚異きょういあたいする世界自身じしん発展はってんであって、けっして畸形きけいねあげられた煤色すすいろのユートピアではない。
久助は、長いこと往来みちに立ちつくしていた。そうやって、お駒ちゃんの残したことばを、あたまの中でかんでいるようなようすだった。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
……去年きよねんはるごろまでは、樹蔭こかげみちで、戸田街道とだかいだう表通おもてどほりへ土地とちひとたちも勝手かつて通行つうかうしたのだけれども、いまは橋際はしぎは木戸きど出來できて、くわん構内こうないつた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さてなげいれたる小石、いかなる形なりともいつとなく人のまるめたるごとく円石まるきいしとなるも又奇妙ふしぎなり。されば社のえんの下に大小の円石まるいしみちみちたり。
白っぽい街路みちの上に瓦の照返しが蒸れて、行人の影もまばらに、角のところ天屋ののぼりが夕待顔にだらりと下っているばかり——。
彩画をほどこした銀泥ぎんでいの襖、調度の物の絢爛けんらんさ、いま大奥の一間にささやき合っているのは、家綱の寵妾ちょうしょうみちの方と、一人は久しく見えなかった姉の光子てるこの御方だった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
○又尾張の名古屋の人吉田重房があらはしたる筑紫記行つくしきかう巻の九に、但馬国たじまのくに多気郡たけこほり納屋村なやむらより川船にて但馬の温泉いでゆいた途中みちしるしたるくだりいはく、○猶舟にのりてゆく
一色ノさとには、きのう途上みちにてお会いなされた不知哉丸さまの母御前藤夜叉さま、おあるじの刑部殿、ほか一族どももお待ち申しておりましょう。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて、母屋と離座敷はなれとの間の通路みちから、この旅籠はたご、武蔵屋の構外そとへ出ようとした。そうしてまたそこで、地上へ、血溜りのような物を——胴抜きの緋の長襦袢を産み落とした。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
酔つぱらひのカレーニクはまだ道程みちの半ばにも達しないで、なほもその呂律のまはらぬ、だらしのない舌でしか口にのぼすことの出来ないやうなりぬきの悪態で
いのりたるが已につき滿みち寛永くわんえい三年三月十五日の上刻じやうこくに玉の如くなる男子なんしを誕生し澤の井母子おやこの悦び大方おほかたならず天へものぼ心地こゝちして此若君このわかぎみ生長せいちやうを待つより外はなかるべし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
景行天皇のみことのりにも、山に邪神あり、郊に姦鬼あり、みちを遮り、径に塞がりて、多く人を苦しましむとも、またそれを具体的に述べて、東夷のうち蝦夷もっとも強く、党類をあつめて辺界を犯し
人身御供と人柱 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
陽貨ようか、孔子を見んと欲す。孔子まみえず。孔子にいのこおくる。孔子其の亡きを時として、往きて之を拝す。これみちに遇う。孔子に謂いて曰く、来れ、われなんじと言わんと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
句碑を見て溝蕎麦みぞそばみち左へと
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
それからもなく、森閑しんかんしずまりかえったわたくし修行場しゅぎょうばにわに、なにやらひとおとずれる気配けはいがしましたので、不図ふといてると、それは一人ひとり指導役しどうやく老人ろうじんみちかれた、わたくしのなつかしい母親ははおやなのでした。
この人藥のみちを深く知れり。かれ天皇が御病を治めまつりき。
「そうだ! 運を天にまかせて——それよりほかに方法みちはない」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
未見みちの境を旅するといふ感じは、犇々ひしひしと私の胸に迫つて来た。空は低く曇つてゐた。目を遮ぎる物もない曠野の処々には人家の屋根が見える。名も知らぬ灌木くわんぼくの叢生した箇処ところがある。
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
面倒なりよきに計らへと皺枯れたる御声にて云ひたまはんは知れてあれど、恐る/\圓道或時、思さるゝ用途みちもやと伺ひしに、塔を建てよと唯一言云はれしり振り向きも為たまはず
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
と遠くの街道みちからこのとき捨て台詞ぜりふの流れてくるのに、振りかえってみれば。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
駈け出すわけにはいかず、そうかといって振り返ることもできずに、与吉は半ば死んだ気でフラフラと往還みちのみちびくがままにたどってゆく。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
山に沿ってうねりくねってゆく往還みち、片側は苗木を植えた陽だまりの丘で、かた方は切りそいだように断崖絶壁だんがいぜっぺき
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ますらをは友のさわぎそめきになぐさもるみち心もあらむ我ぞ苦しき (巻十一)
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
あのお寺のお住持はやっぱり山野の同郷の人で、それは変り者ですの。三千みちさんのことで、私も一寸お寄りして今帰りみちなのですが、あなたはあのお住持がお国のかたなことを御存じないの?
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
これは、建治二年十二月九日に身延から佛道みちの教へに答へられた長い書簡の書出しである。
「あるともあるとも。法斎老は、常に薄とぼけたていをしておざるが、当時、原彦次郎の手について、みちを離れて見事な働きをなされたお一人と聞き及ぶ」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先生せんせい言論げんろんには英雄えいゆう意氣いきみちながら先生せんせい生活せいくわつ一見いつけん平凡へいぼんきはまるものでした。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
わしはな」と老儒者は意味深くいった。「島をのがれて江戸へはいって以来、武力と金力の充実みちている、大名衆へ眼をつけて、ひたすら思想を吹き込んだものだ」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
巻絹はち縫うて衣裳にすれどもらず、衣服に充満みちけるが、後にその末を見ければ延びざりけり、鍋は兵糧をくに、少しの間に煮えしとなり。
あの年浪の寄るほどには稽古もつみて世渡りの商法みちも知らぬではなく、それこそ相談の相手にも成るべし。
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
川原の中に小径みちがあるでしょう、だんだん曲って向うの崖の上の道路へ出るようになっているのね、わたしあそこを見詰めていると、きっとお前がやって来そうなところだと思うの。
童話 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
霜はふる、土龍もぐらの死にし小徑みち
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
漫歩そゞろありきしてみちに迷ひ、農夫に教へられてわづかに歸ることを得つといふ。
でも、この険窄な径蹊みちを征服して高い頂きに達した時の歓びを想ふと、苦困も泡沫のやうに消え去りませう。
〔婦人手紙範例文〕 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「我、汝が命のために、善きたばかりせむ」といひて、すなはちなし勝間かつまの小船を造りて、その船に載せまつりて、教へてまをさく、「我、この船を押し流さば、ややしましいでまさば、御路みちあらむ。 ...
私もいま、こちらへ来ながら道の片側だけは見て来ましたが……この闇夜で、しかも……この有料道路みちの長さが六マイル近くもあるんですから、それに沿った谷の長さもなかなかあるんですよ。
白妖 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
ここにわたの神みづから出で見て、「この人は、天つ日高の御子、虚空つ日高なり」といひて、すなはち内に率て入れまつりて、海驢みちの皮の疊八重一一を敷き、またきぬ疊八重一二をその上に敷きて
だがお米の平常へいぜいを思うと、血のみちを起こして泣いたり、わがままをいって飛びだしたり、平気で帰ったりすることは、阿波にいた頃からありがちで、それに、こんな手紙をよこして
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
県道みちのよごれたみ雪が
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
つきのすごくてひとるやうなるも威嚴いげんそなはれるかとうれしく、かみみちかくかりあげて頬足ゑりあしのくつきりとせしなど今更いまさらのやうにながめられ、なにをうつとりしてるとはれて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
むかし文覺もんがく荒法師あらほふしは、佐渡さどながされる船路みちで、暴風雨あれつたが、船頭水夫共せんどうかこどもいろへてさわぐにも頓着とんぢやくなく、だいなりにそべつて、らいごと高鼾たかいびきぢや。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
恋ちょう真清水ましみずをくみ得てしばしは永久とこしえの天を夢むといえども、この夢はさめやすくさむれば、またそのさびしき行程みちにのぼらざるを得ず、かくて小暗おぐらき墓の門に達するまで
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
諸王、諸臣、及び天下の百姓、ことごと長老おきなは愛児を失ふがごとく、塩酢之昧あぢはひ口に在れどもめず、少幼者わかきめる父母かぞうしなふが如くて、いさつる声、行路みちに満てり、すなは耕夫たがやすものすきを止め、舂女つきめきおとせず。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
そして、そのあいだの七年間は、音信不通いんしんふつう。各自、道につとめて、たとえ街上みちで行き会っても、言葉をかけること無用たるべし。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
旦那様もお身形みなりが変りお見違みちげえ申すようになりました、誠にまアあんたもおふけなさいました
ただちに西北に向ひて、今尚いまなほ茫々ぼうぼうたるいにしへ那須野原なすのがはられば、天はひろく、地ははるかに、唯平蕪ただへいぶの迷ひ、断雲の飛ぶのみにして、三里の坦途たんと、一帯の重巒ちようらん、塩原は其処そこぞと見えて、行くほどにみちきはまらず
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これから出て、流に沿いて、田圃たんぼの方を。私だ知らんけれども、余程景色が好いさう。御一所にと云ふのだが、大分跡程みちが有るから、貴方あなたは御迷惑でありませう。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
陽の弱よわしい夕方近いころで、通る人の影が、寒く長く路上みちに倒れていた。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ああ神の智と識の富は深いかな、その法度さだめママ測り難く、その踪跡みちたずね難し。
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
「桃李言わざれども下自らみちを成す」なんて済ましていられるもんじゃないよ。
愛陶語録 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
馬車は、うねうねと、黄昏たそがれの坂路にかかった。坂のうえに、灯が見えた。あれもこれも母の枕べにともる灯かと思われた。——坂を登り切ると、みちは並木の下を縫っている。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また“道教みち”のお師にも、以来、便たよりすらしておりません。あわせて、一度ふるさとを訪い、日頃のびをすましたい思いで胸がいっぱいです。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
拉薩の市の城門から真直まっすぐに延びている大道路は常磐木ときわぎの並木に飾られて噠𡃤喇嘛ダライラマの宮殿へまで同じ道幅に続いているが、今も昔もその道筋みちには仏の慈悲を讃えるために
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あのとき負けてしまへば道義みちに叶はなかつたゞらうし、今負けるのは正義に反するのである。今私は時間といふ靜かな中間物を通して、あの危機を振り返る時さう思ふのである。
よぎりさらに東北へ数町行くと駒込林町へ出るのであるがもちろんこれは今日の道順みちで文政末年には医学校もなければ郁文館中学もあろう筈がない。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼の専門とする経済学も、彼をして人毎に一つの癖はある者を我には許せ経済のみち洒落しやれしめたる経済学も、或は古風なる「マンチェスター」派のものなりと顧みざる者もあらん。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
良因 なにを申すもみちおく、遠い道中でございますから、旅から旅をさまよひ歩いて、いつ戻られるかはつきりとは判りませんが、先づ白河の關に秋風でも吹きましたら……。
能因法師 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)