“みち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ミチ
語句割合
34.6%
30.5%
19.4%
5.7%
道路1.6%
未知1.0%
往来0.9%
0.6%
街路0.6%
0.4%
(他:65)4.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
事務所の角まで来ると何という事なしにいきなりみちの小石を二つ三つつかんで入口の硝子ガラスにたたきつけた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
家も何にもない処で、狐がどうの、狸がどうの、と沙汰さたをして誰も通らないみち、何に誘われたか一人で歩行あるいた。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
くて、若くして自分の寿命の短かいであろうことを覚悟させられた時、当然、一つの安易な将来のみちが思浮かべられた。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
いつ動きだすやら判りもせん船を待っとらねならん、宝ものにしておいた家の道具はみんな潮水に濡れて、使いみちも無くなった
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
いまこの厄難やくなんさいして、吾等われらみちたゞ二つある、その一つは
おい邪魔じやまになるとわるいよと北八きたはちうながし、みちひらいて、見晴みはらしのぼる。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
人家やみちが色づいた野づらをっていたが、さえぎるもののない空は大きな弧を描いて目の前にれさがっていた。
秋日記 (新字新仮名) / 原民喜(著)
空漠くうばくとしたなかにあって、荒れ狂うものにさらわれまいとしているし、みちや枯木も鋭い抵抗の表情をもっていた。
冬日記 (新字新仮名) / 原民喜(著)
橋の向こう側には、坦々たんたんたる広い道路みちでも開けておればまだしも、真の闇だったらどんな気持がすることでしょうか。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
磯五はそれから、若松屋惣七のことをきいたり、おせい様のことを話したりしながら、お高といっしょに道路みちのほうへ歩き出した。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
次々と、その場に居合せた程の人々は、順に訊ねられたが、口数少く、いずれも女の身元については未知みちとの答ばかりであった。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
余は若い時からいろいろな事を想像するくせがあるが、未知みちの人の容貌態度などはあまり脳中に描かない。
長谷川君と余 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
がすぐに混乱は治まって、一隊は粛々と動き出し、林は先へ進んで行った。しかし見れば往来みちの一所に、黒い大きな斑点が出来ていた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
さきにたむろしていた正季の兵に、また正成の七百騎が到着したので、たちまち往来みちも木蔭も馬息うまいきれと人影でうずまった。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曳々聲えい/\ごゑはせ、なはて畦道あぜみちむらみちみにんで
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
老夫は鞭をうさぎうまに加へて、おのれもひたと引き添ひつゝ、暗きみちせ出せり。
街路みちは八分通りかげつて、高声に笑ひ交してゆく二人の、肩から横顔を明々あかあかと照す傾いた日もモウ左程暑くない。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
男は、前よりも俛首うなだれて、空気まで凍つた様な街路みちを、ブラリブラリと小さい影を曳いて、洲崎町の方へ去つた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
と口はやわらかにものいへども、胸にみちたる不快の念は、包むにあまりてでぬ。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
と口は和らかにものいえども、胸にみちたる不快の念は、包むにあまりてに出でぬ。
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
東雲しののめさわやかに、送つて来て別れる時、つと高くみちしるべの松明たいまつを挙げて、前途ゆくてを示して云つた。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その日、増上寺参詣さんけいを名として、大奥を出た将軍家の愛妾おみちの方の駕は、山内の休所で供の者を減らし、ほんのお忍び同様な二、三人で愛宕あたごの裏坂へ向って行った。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
途上みちで、道誉と別れた高氏は、ふたたび、ぶらりぶらりの馬居眠りでもして行くような姿だったが、胸のうちでは、
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この男の語るところによれば、かれはそれを途上みちで拾ったが、読むことができないのでこれをうちに持ち帰りその主人に渡したものである。
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
たまたま途中みちで御親類の御女中方に御逢なさることが有ても、高い御挨拶あいさつをなさいました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
背後うしろはうえるから、振返ふりかへつて背後うしろると、むすめ何故なぜか、途中みちしやがんでてうごかない。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
よろず屋の店と、生垣との間、みちをあまして、あとすべていまだ耕さざる水田みずた一面、水草を敷く。
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
句碑を見て溝蕎麦みぞそばみち左へと
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
です。念仏によるか、坐禅ざぜんによるか、信心しんじんによるか、公案(坐禅)によるか、その行く道程みちは違っていても、到着すべきゴールは一つです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
快適な秋の朝風に吹かれながら、神田から山の宿まで、一寸出のある道程みちです。
しかしていわんやまたザラに世上に跋扈ばっこする道で聞きみちに説く輩においてをやだ。
これみちに遇う。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
この人藥のみちを深く知れり。
子路率爾そつじとしてこたえて曰く、千乗の国大国の間にはさまりて加うるに師旅しりょを以てしかさぬるに饑饉ききんを以てせんとき、ゆうこれをおさめば、三年に及ばんころ、勇ありみちを知らしめん。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「左門は我らに生活の方法みちを立ててくれた菩薩じゃよ……こんなご時世、食えて行けさえしたらおんの字じゃからのう」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「そうだ! 運を天にまかせて――それよりほかに方法みちはない」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
未見みちの境を旅するといふ感じは、犇々ひし/\と私の胸に迫つて來た。
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
未見みちの境を旅するといふ感じは、犇々ひしひしと私の胸に迫つて来た。
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
火氣くわき滿みちたるしつにてくびやいたからん
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はゝなるものはあをけぶり滿みちかまどまへつてはうづくまりつゝ、燈火ともしびける餘裕よゆうもなくをぶつ/\とつてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
面倒なりよきに計らへと皺枯れたる御声にて云ひたまはんは知れてあれど、恐る/\圓道或時、思さるゝ用途みちもやと伺ひしに、塔を建てよと唯一言云はれしり振り向きも為たまはず
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
面倒なりよきに計らえと皺枯しわがれたる御声にて云いたまわんは知れてあれど、恐る恐る円道ある時、おぼさるる用途みちもやと伺いしに、塔を建てよとただ一言云われしぎり振り向きもしたまわず
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と遠くの街道みちからこのとき捨て台詞ぜりふの流れてくるのに、振りかえってみれば。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
町の恰度中央なかほどの大きい造酒家さかやの前には、往来に盛んに篝火かがりを焚いて、其周囲めぐり街道みちなりに楕円形な輪を作つて、踊が初まつてゐる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
邁往まいおうみちから畏敬の道へ呼び戻す。
名誉のみちいている。
やがて、母屋と離座敷はなれとの間の通路みちから、この旅籠はたご、武蔵屋の構外そとへ出ようとした。そうしてまたそこで、地上へ、血溜りのような物を――胴抜きの緋の長襦袢を産み落とした。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
鯨幕の後ろは、僅かに人間一人通れるほどの通路みちで、一方の口は群衆六百の眼玉の光る庭に開き、そして他の一方の口は、内廊下の――其處には藤屋の番頭や手代や、伜の彌吉や――多勢内輪の者の居るところに開いて居るのです。
「門の空地の所ですれ違ったのですけれど、あなたはすっかりすまし込んでいらしったわね。あのお寺のお住持はやっぱり山野の同郷の人で、それは変り者ですの。三千みちさんのことで、私も一寸お寄りして今帰りみちなのですが、あなたはあのお住持がお国のかたなことを御存じないの?」
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
これは、建治二年十二月九日に身延から佛道みちの教へに答へられた長い書簡の書出しである。
「あるともあるとも。法斎老は、常に薄とぼけたていをしておざるが、当時、原彦次郎の手について、みちを離れて見事な働きをなされたお一人と聞き及ぶ」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先生せんせい言論げんろんには英雄えいゆう意氣いきみちながら先生せんせい生活せいくわつ一見いつけん平凡へいぼんきはまるものでした。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
わしはな」と老儒者は意味深くいった。「島をのがれて江戸へはいって以来、武力と金力の充実みちている、大名衆へ眼をつけて、ひたすら思想を吹き込んだものだ」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
後にきつう怒られてせしとかや、巻絹はち縫うて衣裳にすれどもらず、衣服に充満みちけるが、後にその末を見ければ延びざりけり、鍋は兵糧をくに