みち)” の例文
かれ現在げんざい自分じぶんゆるかぎりの勇氣ゆうきひつさげて、公案こうあんむかはうと決心けつしんした。それがいづれのところかれみちびいて、どんな結果けつくわかれこゝろきたすかは、かれ自身じしんいへどまつたらなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それからもなく、森閑しんかんしずまりかえったわたくし修行場しゅぎょうばにわに、なにやらひとおとずれる気配けはいがしましたので、不図ふといてると、それは一人ひとり指導役しどうやく老人ろうじんみちかれた、わたくしのなつかしい母親ははおやなのでした。
下女げぢよて、此方こちらへとふから、何時いつもの座敷ざしき案内あんないするかとおもふと、其所そことほして、ちやみちびいていつた。するとちやふすまが二しやくばかりいてゐて、なかから三四人さんよにんわらこゑきこえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)