“路:みち” の例文
“路:みち”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花63
小川未明43
田中貢太郎31
夏目漱石21
宮沢賢治20
“路:みち”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸24.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)9.6%
文学 > 日本文学 > 小説 物語8.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
事務所の角まで来ると何という事なしにいきなりみちの小石を二つ三つつかんで入口の硝子ガラスにたたきつけた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
家も何にもない処で、狐がどうの、狸がどうの、と沙汰さたをして誰も通らないみち、何に誘われたか一人で歩行あるいた。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのみちはまだ一度も通ったことのない路であった。そして、ある城郭まちへいったが、そこは帝王のいる都のようであった。
考城隍 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
鏡をかけたようにきらきらと夕日に輝いている山をさして、昨夜の苦しいみちのことを誇張も加えて宮が語っておいでになった。
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ホームズと私とは彼等について、例の細いみちくだっていった。私の友達はそこまで来ると、私の袖を引っぱった。そして
黄色な顔 (新字新仮名) / アーサー・コナン・ドイル(著)
で、つきみちらすのも、案山子かゝしぶのも、からかさくるま
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのうち、どうしたことか、いつもれきつてゐる森の中で、すつかりみちをまよつて、どうしても出られなくなりました。
幸坊の猫と鶏 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
土佐藩の有志で有名な小南こみなみ五郎右衛門は、某日あるひみちで丹治に会うとその実否じっぴをたしかめようとした。
怪人の眼 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
僧はそのまま簷下のきしたを離れてみちへおり、夕陽ゆうひの光の中を鳥の飛ぶように坂上さかうえの方へ登って往った。
竈の中の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
浜に上って当てもなしにみちをあるいて行くと、或る家の庭のすすきかきに、なくした釣縄が洗ってしてある。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
みちを通るにも油断をしないで、西洋人の姿や服装に目をつけたり、いたところのショウ・ウインドウに注意します。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
私はぼんやりお嬢さんの頭を見ていましたが、次の瞬間に、どっちかみちを譲らなければならないのだという事に気が付きました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
雨中を冒して、将軍と吾輩勇を鼓して五郎平茶屋より一丁あまり、懸崖けんがいみちなき所を下りて、滝壺探検と出かけた。
賽児墓に祭りて、かえるさのみち、一山のふもとを経たりしに、たま/\豪雨の後にして土崩れ石あらわれたり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
私たちは、家の前の石段から坂の下の通りへ出、がけのように勾配こうばいの急なみちについてその細い坂をのぼった。
分配 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ところがみちの一とこに崖からからだをつき出すようにしたならかばの木が路にかぶさったとこがありました。
風野又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ウンデル・リンデンの並木みちを美しいと聞いて居たが、其れは巴里パリイのシヤンゼリゼエを知らない人の言ふことであつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
機会おりもあらば討入りて、かれが髭首かかんと思へと。怎麼にせん他が棲む山、みちけんにして案内知りがたく。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
みちには処々ところどころ、葉の落ちた雑樹ぞうきが、とぼしい粗朶そだのごとくまばららかって見えた。
海の使者 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
たかひくのみちの、ともすれば、ぬかるみのはねひやりとして、らぬだにこゝろ覺束おぼつかなきを
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
母と青年とが、いつもの散歩みちを、寄り添いながら、親しそうに歩いている姿だけが、頭の中にこびり付いて離れなかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
かつて経験しない長いみちを歩くことは姫君に苦しかったが、人が勧めるとおりにして、つらさを忍んで夢中で歩いて行った。
源氏物語:22 玉鬘 (新字新仮名) / 紫式部(著)
上手かみて四分の一がほどを占めて正面の石段により登りぬべき鐘楼そびえ立ち、その角を過れるみちはなお奥に上る。
道成寺(一幕劇) (新字新仮名) / 郡虎彦(著)
そしてころんだはずみに、ると、みちの上にちていた一ぽんのわらを、おもわず手につかんでいました。
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
一同はフハンのあとについてゆくと、荊棘けいきょくみちをふさぎ、野草が一面においしげて、なにものも見ることができない。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
どういうわけでこれだけの柳がみちばたに取残されていたのか知らないが、往来のまん中よりもやや南寄りに青い蔭を作っていた。
御堀端三題 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
おれは、大将たいしょうだが、みやこほうへゆくみちは、どういったがいいか。」と、おたずねになりました。
強い大将の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「このみちをまっすぐにゆきなされば、あなたのおぼしなさるところへられます。」ともうしあげました。
強い大将の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
老人はもと来た方へ指をさした。謙作はしかたなしにとぼとぼと引返した。そして、歩いているうちにみちが判らなくなった。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
時代からいうと、鎌倉かまくらまいみちにというのよりは、また少しばかりのちのことだったろうと思われる。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それがやがてかえみちにまた声をかけて、生まれたの未来をうきめて来ましたと告げるのはごく自然に聴える。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
みちれほどでけれどりにてはれも心配しんぱいなり子供こどもたちもさびしかるべく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すかして見ると春の日影は一面にし込んで、射し込んだまま、がれずるみちを失ったような感じである。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これが先刻さっき下女に案内されて通ったみちなのだろうかと疑う心さえ、淡い夢のように、彼の記憶をぼかすだけであった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
だから索寞さくばくたる曠野あらのの方角へ向けて生活のみちを歩いて行きながら、それがかえって本来だとばかり心得ていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あの兄の心にそむいても節子を捨てまいと考えた時に、既にもう岸本は兄との別れみちに立たせられたことを感じたのであった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
余は馴れた所だから例のごとく例のみちをたどって半分ほど来て、ふと何の気なしに眼をあげて自分のまいるべき墓の方を見た。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かゝしまこととて、みちなどのあらうはづはなく、熊笹くまざゝあひだ掻分かきわけたり
そして、あとからあとから彼の身辺にまといついて来る幾多の情実を払いのけて、新たなみちを開きたいとの心を深くした。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
たけらちひたるなかに、三四人さんよにんつちをほりるあたりにて、みちわからずなりしが
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
夜更けては帰るにみちのほど覚束おぼつかなしとて、あきないして露店しまえば、そのまま寝て、夜明けてのち里に帰るとか。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「今夜は中神のお通りみちになっておりまして、御所からすぐにここへ来ておやすみになってはよろしくございません」
源氏物語:02 帚木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
こうした山里の夜のみちなどを歩くことをあまり経験せぬ人であったから、身にしむようにも思い、またおもしろいように思われた。
源氏物語:47 橋姫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
かなり歩き草臥くたぶれたので、みちばたに茶店ちやみせが一軒あつたのを仕合せに、皆はそこで一休みする事にした。
蛍さえもひどく暗いところで鮮かにぴかりぴかり光り、ときどき並みはずれてよく光るのがみちを横ぎって流れ、彼をおどろかした。
高原にて路に迷う すると広い原の中でどういう風にみちを失ったのか何程いくら行ってもその川のあるところに出ない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
十字に交叉かうさしたみちを右に折れると、やがてわたしの選んだ旅店やどやの前に車夫は梶棒かぢぼうおろした。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
墓を去つて、笠松かさまつあひだみちを街道に出やうとしたのは、それから十分ほど経つてからのことであつた。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
そのうえかれは、さくりさくりとあさきたときのみちあるいて、鼻唄はなうたをうたってきました。
おおかみと人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
馬琴の口述を嫁のおみちさんが泣き泣き紙に写したというが、最後の原稿である「八犬伝跋文ばつぶん」はひじょうな名文である。
平次と生きた二十七年 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
ただ藤井の帰りにとおみちだからちょっと寄ったまでだという事だけが、お秀の下女に残して行った言葉で解った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この山の頂きからあの山の頂きに行かんとして、当然経ねばならぬところのみちを踏まずに、一足飛びに、足を地から離した心である。
性急な思想 (新字新仮名) / 石川啄木(著)
どうして見るどころか、人脚の流るる中を、美しいしぶきを立てるばかり、仲店前を逆らって御堂のみちへ上るのである。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
みちに八九時間じかん正午しやうごといふのに、たうげふもと春日野村かすがのむらいたので
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
二人は疲れた足をひきずって、日暮れてみち遠きを感じながらも、なつかしいような心持ちで宮地を今宵こよいの当てに歩いた。
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
足利あしかが木像事件後における残存諸士の消息を語り、それより回りみちをして幕府探偵たんていの目を避けながら
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
みちの上が急に暗くなって来た。何人なんびとかがこのあたりに見はっていて、故意に門燈のスイッチをひねっているようであった。
蟇の血 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
五年間の中学校生活、行田ぎょうだから熊谷くまがやまで三里のみちを朝早く小倉こくら服着て通ったことももう過去になった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
其代り自分とおなみちを容赦なく往来ゆきゝする外濠線そとぼりせんくるまを、常よりは騒々しくにくんだ。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
中二日なかふつかいて三千代がる迄、代助のあたまは何等のあたらしいみちを開拓し得なかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
私はその娘さんが、あとから来るのだろう、来るのだろうと、見返り見返りしながら手を曳かれて行ったが、なかなかみちは遠かった。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかもそのとたんに、非常な名案が浮かんだので、私はみちを引っ返して、鏡のように磨き立てた菓子屋の店へはいった。
夕闇ゆふやみみちたづたづしつきちてかせ吾背子わがせこそのにもむ 〔巻四・七〇九〕 大宅女
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
そして僕のうった鹿が一番大きかった、今井の叔父さんは帰りみち僕をそばから離さないで、むやみに僕の冒険をほめた。
鹿狩り (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「登りみちの方が好い、何時いつまでも押させてくれるから」——良平はそんな事を考えながら、全身でトロッコを押すようにした。
トロッコ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
初夏の山の中は嫩葉わかばに飾られて、見おろすみちの右側の谷底には銀のような水が黒い岩にからまって見えた。
竈の中の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
それで、ぼんやりとしてみちうえっていますと、あちらから、いい小鳥ことりのなきごえこえたのです。
酔っぱらい星 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ふゆになってゆきると、人々ひとびとは、一人ひとりでこのみちとおることをおそれました。
おおかみと人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、みち一筋ひとすじまちをはなれると、きゅうおおくなるのがれいでした。
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうばかりも登ると、屏風びょうぶを立てたような巌石がんせきみちを挟んでそびえている処へ出た。
悪僧 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
これより遠野の町へのみちにはまた八幡山という山ありて、その山の八幡沢の館の方に向かえる峯にもまた一つの館址たてあとあり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その理由は行抜けのできる谷合たにあいは、通り物のみちに当っているからだと、南方熊楠氏に告げた者があるそうだ。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
まわみちでもなき歸宅かへりがけの一時間じかん此家こヽりては讀書どくしよ算術さんじゆつ
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
父はひとすじみちの中途で、今歩いて来た方へ向き直って立ち止まり、滋幹が後から来るのを待ち構えていたのであった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
どうかすると、晩飯をくのが面倒なので、帰りみちに洋食屋へ寄って、まるで二人が競争のようにたらふく物をたべッくらする。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「しかし僕はふとした拍子に、この国へころげ落ちてしまったのです。どうか僕にこの国から出ていかれるみちを教えてください。」
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
初めの一里ばかりは馬君うまくん風をって駆けたが、次第に暗くはなるし、山路の事とてみちは素敵に悪るい。
「なんだか、ぼんやりした。あのおくめのことがあってから、おれもどうかしてしまった。はて、おれもみちに迷ったかしらん……」
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
北山はそう言って、彼の手から折鞄を取ろうとしたが、庸三はステッキを振り振り、暗いみちを急ぎ足で歩いて行った。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
家の跡を見て来ようと思って、私は猿猴橋えんこうばしを渡り、幟町のぼりちょうの方へまっすぐにみちを進んだ。
廃墟から (新字新仮名) / 原民喜(著)
停車場ステエシヨンまでのみち今日けふは暑いので日本のキモノを着たマダム・ヨサノの徒歩は苦しからう」と夫人が云はれる。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
此路このみち眞直まつすぐまゐりますと、左樣さやう三河島みかはしまと、みちひとをしへられて
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
白く出た七日の月のかすんだのを見て、遠いみちれぬ女王にょおうは苦しさに歎息たんそくしながら、
源氏物語:50 早蕨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
町のみちみちを通るとき、わたしはもしやクラリモンドに逢いはしないかと、家いえの窓や露台に気をつけて見ました。
ただ一条の灰白はいじろみちがぼんやりと見えて、提灯の光は彼の二つの脚をてらし、左右の膝が前になりあとになりして行く。
(新字新仮名) / 魯迅(著)
みち此処こゝで二すぢになつて、一すぢはこれからぐにさかになつてのぼりもきふなり
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みちかはつて、旅人たびびととほらぬけえに、つから家業かげふらんでの、わし
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
で、さきに巡査等が登ったみちとは方角を変えて、西の方から山路やまみち分入わけいろうとする途中に、小さい丘が見えた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
おばあさんと子供こどもは、みち片端かたはしによって、百しょうひつじとおしてやりました。
角笛吹く子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうど、その時分じぶんB医師ビーいしは、くらみちかんがえながらしたいてあるいてきました。
三月の空の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
田植の日は娘たちまでが昂奮こうふんして、よくみちを行く人に泥苗どろなえなどを投げる悪戯いたずらをした。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
渡船とせんつてゐるので、玄竹げんちくみち片脇かたわきつて、つてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
道頓堀どうとんぼりに芝居などを見に行ったその帰りみちに、ちょっと牡蠣船にはいって一杯やるようなことを想像したのであります。
俳句の作りよう (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
やはらかきひとほどはつよく學士がくし人々ひと/″\なみだあめみちどめもされず
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「じゃ、買って来なくっても好かったのに。つまらないわ、回りみちをして。御負おまけに雨に降られそくなって、息を切らして」
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
渡船場までのみちは聞いたよりは遠い感じがしたけれども、辿たどりついてみると、なるほど川のむこうに洲がある。
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
茶の間の方では、癇高かんだかい妻のおひやくの声や内気らしい嫁のおみちの声がにぎやかに聞えてゐる。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
茶の間の方では、癇高かんだかい妻のおひゃくの声や内気らしい嫁のおみちの声がにぎやかに聞えている。
戯作三昧 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
みちは野原のすすきを分けてやや爪先上つまさきあがりの処まで来ると、ちらと自分の眼に映ったのは草の間から現われている紙包。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
私は町の或る狭い横丁よこちょうから、胎内めぐりのようなみちを通って、繁華な大通おおどおりの中央へ出た。
猫町:散文詩風な小説 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)