村山籌子｜ふりがな文庫

〈あかい、やさしい　はなもやうが〉（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
あかい、やさしいはなもやうが、とびとびについたきものをきて、あをいやはらかいおびをしめた、しづかな、おとなしいをんなのこどもが、そろり、そろりと、いつぱいとほる …

アヒルサン　ト　オネコサン（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
春ニナツタノデ、アヒルサンノオ母サンハ、アヒルサンニ洋服ヲカツテヤリタイトオモヒマシタ。ソコデ、洋服ヤヘ、真赤ナ洋服ヲタノミマシタ。「アヒルチヤンヤ、一寸コレヲキテゴラン、ヨク似 …

あひるさん　と　つるさん（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
あひるさんは鳥は鳥でも羽が短いのでとぶことが出来ません。あひるさんの近所に、鶴さんがゐました。二人はお友達でした。あひるさんは鶴さんの羽を見る度に一度貸してもらひたくて仕方があり …

あひるさん　と　時計（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
何でもかでも他人の真似をしたがるあひるさんがありました。まだ子供でしたから無理もありませんが、大きなあひるさんたちが時計を持つてゐるのを見て欲しくて堪りません。お父さんにお願ひしま …

あひるさん　と　にはとりさん（新字旧仮名）
読書目安時間：約6分
にはとりさんが、あひるさんのところへあそびにゆきました。あひるさんは、鉛筆を五本もなくしてしまつたので、こまつてゐます。あひるさんは、にはとりさんにいひました。「僕は、どうも …

あひるさん　の　かみのけ（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
あるところに、大へんおとなしい一羽のあひるさんがありました。ちひさくてまだ手が頭にとゞきません。毎朝髪をゆつてもらはねばなりませんでした。あひるさんには、おぢいさんだけしかないの …

あひるさん　の　くつ（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
ある時、きりぎりすさんが、靴屋さんをはじめることになりました。「どんな形の靴でもおのぞみしだいにつくります。」といふ看板を見てやつてきたのが、あひるさんです。きりぎりすさんはあ …

〈あめがふつてくりや〉（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
あめがふつてくりや「ものまねみまね。ものまねみまね。」となきなきにげる。なきなきにげる。あめがやむまで「ものまねみまね。ものまねみまね。」となきなきにげる。 …

あめくん（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
「シトシトシトシト」とちいさなおとをさせてあめくんがやつてきました。「スルスルスル」とじどうしやがはしつてきましたが、あめくんにであふとすつかりぬれてしまひました。「パカパ …

あめやさん（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
きみにはボンボン、きみにはチヨコレート、きみにはキヤンデイ、きみにはキヤラメルをあげよう、さあいくらでももつてゆきたまへ。すつかり、もつてゆきたまへ。ぼくは、まだ …

いぬさん　と　おねこさん（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
いぬさんとおねこさんがストーヴにあたりながらハイカラなゑほんをみてゐました。いぬさんがまうしました。「ぼくはなぜこんなハイカラな犬にうまれなかつたんだらう。このちぢれた毛はどう …

犬さんと、くもさんと、かへるさん（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
犬のおばあさんは一人で暮してゐましたが、一人で暮らすのは、大変淋しうございました。お仕事をしてゐても、夜ねてゐても、一人でゐるのはつらいことでした。それで、仲間をさがすことにして、 …

兎さんの本屋とリスの先生（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
あるところに大変そそつかしい本屋さんがありました。兎さんです。ある日、お店へ本が来ましたので、フロツクコートを着て、鼻眼鏡をかけて、ステツキを持つて、その本を小脇にかかへて（人間か …

うさぎさん　と　おほかみさん（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
うさぎさんが散歩してゐました。もうなつになりかけでしたから、きれいな花が咲いてゐました。そしていゝ匂ひがしてゐました。一人で歩くのは、うさぎさんには、初めてです。なぜといつて、う …

うさぎのくだものや（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
もぅりのもぅりの木のかげで、みゝながうさぎのくだものや。つぶのそろつたさくらんぼ、まつかであまい大西瓜。やすうりなげうり大べんきやう。かわいいぼつちやんはじて …

〈美しい王子様のおせなかに〉（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
美しい王子様のおせなかにまつかなマントがゆれてゐるかな美しい王子様のおん馬車の馬が青い空を眺めてゐるかな …

ウミベノマヒゴ（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
ウミベヘツイタ時ニハ、カイガンノスナハ人デマツクロニナツテイマシタノデ、オ母サンハヨシヲサンニ、「マヒゴニナラナイヤウニネ。ソレカライクラ、オモシロクツテモ、アンマリナガク水ノ中 …

オホサウヂ（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
ブチトシロハタラウサンノウチニカハレテヰルコイヌデス。アルヒタラウサンノウチデハ、ナニカオホソウドウガ、モチアガリマシタ。ヨガアケルトブチトシロハオユニイレラレテゴシゴシトアラ …

〈おかみさん〉（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
おかみさん。とりのおかみさん。ぼうしかぶつてぶら／＼かごさげてなにをかひにどこへゆきます。坊ちやん。坊ちやん。ぼうしかぶつてぶら／＼かごさげてむかふの市場へ …

お鍋とお皿とカーテン（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
これはせんせいが一年生にしてくださつたおはなしです。あるおうちのお台所にお鍋とお皿とカーテンがくらしてゐました。ところがおなべもお皿もカーテンも毎日おなじおしごとをしてゐるのが …

お鍋　と　おやかん　と　フライパン　の　けんくわ（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
よう子ちやんはお台所が大好きでした。なぜといつて、お料理のにほひはほんとにおいしさうなんですもの。それに、おさじやフオークやお茶碗やお皿などがカチン、カチン、チヤラ、チヤラと可愛い …

お猫さん（新字旧仮名）
読書目安時間：約23分
お正月が近づいて来たので、お猫さんのお父さんとお母さんはお猫さんをお風呂に入れて、毛皮の手入れをしなくちやならないと考へてをりました。なぜといつて、お猫さんは白猫さんでしたから。 …

オ寝坊ナ　ジヤガイモサン（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
人参サントジヤガイモサンハ大ソウ仲ノヨイオ友達ダツタノデスケレド、ヒヨツトシタ事カラケンクワシテ、オタガヒニ、モウ一生口ナンゾキイテヤラナイゾト決心シマシタ。トコロガアル日、人参 …

お鼻をかじられたお猫さん（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
あるところに、お猫さんがありました。誰もつきあつてくれません。このお猫さんは、大へんきむづかしやで、年中おこつてばかりゐるからです。或日、椅子に腰かけて新聞をよんでゐましたが、眠 …

お姫さまと猟師（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
お姫さまは朝から、大変ごきげんがわるうございました。そして、ぷりぷり、おこつてゐらつしやつたので、いつものかはいゝお姫さまではなくて、年をとつた、おばあさんのやうに、こはいお顔をし …

オマツリ（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
ポカポカトアタタカイアキノヒデシタ。イケノカメサンタチモウツラウツラトヒナタボツコヲシテヰマス。カメコオバサンハマルコオバサンノウチヘ、ノソリノソリトハツテユキマシタ。チヨツトソ …

おまゝごと（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
うめのはなうめのはな、えだのうへであつたかいね。ぽかぽかあつたかいね。しろいごはん、しろいごはんおかまのなかであつたかいね。ぽかぽかあつたかいね。 …

おもちや　の　めがね（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
あるところにおばあさんがありました。だいぶ目がうすくなつたので、目鏡が一つほしいと思つて、ためておいたお金をお財布に入れて目鏡やさんに行きました。おばあさんは、「目鏡やさん、この …

オヤカン　ト　オナベ　ト　フライパン　ノ　ケンクワ（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
オヤカングツグツ、オナベハグタグタ、フライパンハフライパンハピチチリピチチリグツグツグタグタピチチリピチチリオヤカンピカピカオナベモピカピカフライパンハフライパン …

カヘルサント、コホロギサン（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
アルトコロニ、学者デ、近眼デソヽツカシイカヘルサンガアリマシタ。毎日、高イ木ノ枝ニ腰カケテ、四方ヲミマワシテ、何カヲサガシテヰル様子デス。ソレヲ、草ノ葉ノカゲデ、セツセト縫物ヲシ …

かかし（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
シルクハツトと洋服と、きれいなきれいなかたかけと、ステツキもつてるかかしさん。にはとりさんがやつてきて、コケ、コケ、ステツキをけとばした。コツ、コツ、コケ、コケ、コ …

かくれんぼ（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
ある日、小ぐまさんとあひるさんが、かくれんぼをして遊びました。ジヤンケンをして小ぐまさんが負けました。小ぐまさんは、あひるさんがむかふのお部屋に行つてゐる間に、机の下にもぐり込み …

風邪をひいたお猫さん（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
あるところにお猫さんとそのおかみさんがありました。それはそれは立派なおヒゲをもつてゐたので、二人は自慢でしやうがありません。毎朝、起ると、すぐに鏡の前へ行つて、そのヒゲに油をつけて …

髪床やの大根さん（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
今年十になつた、大根さんのお家はお父さんが髪床やさんでした。二人とも、おやさいの中で一番頭の毛が青く立派に生へてゐるので、誰れでも、大根さんの家が髪床やさんをしてゐるのを笑ふものは …

〈かみのすくない　カテリーナ〉（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
かみのすくないカテリーナおもてにでたら、かぜがきて、だいじなだいじなかみのけを、いつぽんいつぽんふいたので、かなしくなつてないてたら、たう／＼かぜをひきました。 …

カメサン　ノ　サウダン（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
ポカポカトアタタカイアキノヒデシタ。オイケノカメサンタチモウツラウツラトヒナタボツコヲシテヰマス。カメノカメコオバサンハ、キンジヨノマルコオバサンノウチヘ、ノソリノソリトハツテユ …

カハイイ　山羊サン（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
カハイイ山羊サンハオ年ガ八ツニナツタノ。オ母サンニツレラレテ学校ヘ行ツタノヨ。動物学校ヘネ。カハイイ山羊サンハオヒゲガ生エテタノ。ソレヲ見テミンナガ笑ツタ …

川の中へおつこちたお猫さん（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
あるところにお猫さんがありました。どういふわけだか、生れつきお家にゐるのがきらひで、いつでもぶらりぶらりと、あるきまはつてゐました。ある日、お母さんがおつしやいました。「お猫さ …

川へおちた玉ねぎさん（新字旧仮名）
読書目安時間：約4分
ある町にジヤガイモ・ホテルといふ宿屋がありました。主人といふのが、ジヤガイモだつたからです。主人のジヤガイモさんは大変親切な人だつたので、このホテルにはお客様がいつも多すぎて、ど …

きしやのしよくどう（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
たまごよたまごようでたまご。おさらのなかでふるへてるたまご。たまごよたまごよなにがこわい。きしやはぽつぽとはしつてゆくのに。たまごよたまごよなにがこわい …

ギツコン　バツタン（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
ギツコンバツタンあがつたあがつた。ギツコンバツタンさがつたさがつた。ギツコンバツタンそらそらあたしよ。ギツコンバツタンこんどはぼくだよ。ギツコンバ …

きりぎりす　の　かひもの（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
ある八百屋さんの店にきうりが山のやうに積んでありました。その山のてつぺんで一本の大きなきうりがぐうぐう眠つてゐました。初めは一番下にゐたのですけれども、どんどん仲間を押しのけて、い …

けが　を　した　おほかぜくん（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
けふはおほかぜくんはたいへんいいごきげんでした。「ヒユウヒユウヒユウ」これがおほかぜくんのうたです。「ヒユウヒユウヒユウ。なにかいたづらをしてやらう。」おほかぜくんはとんで …

月謝の袋を失くしたあひるさん（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
あひるさんは泣きながら学校から帰つて来て、お母さんに申しました。「お母さん、先生から頂いた月謝の袋を落したの。先生に叱られるといや」お母さんはおつしやいました。「あひるさんや …

コイヌ（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
マアイツタイドコカラコンナニタクサンヤツテキタノカシラ。コイヌ。コイヌ。コイヌ。コイヌ。コイヌ。コイヌ。コイヌ。マアイツタイドコカラコンナニタクサンヤツテキ …

こいぬ　の　ちびすけ（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
コイヌノチビスケガタイヘンニイバツテヤツテキマシタ。「ウウ、ウウ、ウウ、ボクハステキナオホイヌダ。」オホイヌノジヨンガビツクリシテイヒマシタ。「キミモイマニハオホキクナルサ。 …

こほろぎの死（新字旧仮名）
読書目安時間：約5分
ある日、うす寒い秋でしたのに、一匹のこほろぎが単衣を着て、街へ仕事をさがしに出掛けましたが、此間までつとめてゐた印刷工場で足の上へ重い活字箱を落としてけがをして首を切られ、けがをし …

小ぐまさん　の　かんがへちがひ（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
ある日小ぐまさんが路ばたであそんでゐますと、お猫さんが通りがゝりました。お猫さんは、ふところから赤いものをとりだして「小ぐまさん、これなんだか知つてる？」とききました。小ぐまさん …

ゴボウ君と大根君（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
大根とごぼうが一しよに暮してゐました。或日、大根の所へ手紙が参りました。その時、大根は用事があつて外出してゐましたのでごぼうが代りに受け取りました。ごぼうは、なかに、どんな事が書 …

三匹の小熊さん（新字旧仮名）
読書目安時間：約5分
ある所に、三匹の小熊さんがお母さんと一緒に住んでをりました。朝になると、目覚し時計が、三匹の小熊さんを起します。三匹の小熊さんは、それから朝の御飯を頂きますが、今朝からは、牛乳 …

三匹　の　こぐまさん（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
アヒルサンノトコロヘ、三匹ノコグマサンガアソビニユキマスト、アヒルサンハ、ナンダカシキリニ、サガシモノヲシテヰマシタ。アヒルサンハ、三匹ノコグマサンニ、イヒマシタ。「イマ、オト …

三匹ノ　コグマサント　キシヤ（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
三匹ノコグマサンガ、ハジメテ汽車ニノリマシタ。ドコヘノツテヨイノヤラワカラナイノデ、ヤネニノリマシタ。風ガヒドクテ三匹ハカゼヲヒキマシタ。シカタガナクテ、汽車ノナカノアミダナニモ …

十五夜のお月様（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
大きい森のむかふから、ブルブルブルと小さい音が響いて来ました。木の上でねてゐた真黒な小人はそれを聞くと、とびおきて、青い着物をきて、赤い帽子をかぶつて音のする方へ飛んでゆきました。 …

しんばい（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
「けふは、あんまりいたづらばかりしたので、もうぼくはいいこになれなくなりやしないかと、しんぱいだ。かあさん。」「そんなことありませんよ。あしたからでも、いいこにならうとおもへば、 …

スナマンヂウ（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
ヒガカンカンテツテヰルノデジロウハアツクテタマラナクナリマシタ。カイガンノスナハサワルトアツクヤケテヰマシタ。「スナマンヂウヲツクラウ。タイヨウデウマクヤケルダラウ。」ジロウ …

ザウサン　サルサン（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
アルトコロニタイヘンオギヤウギノヨイザウサンガアリマシタ。アサハダレニデモバウシヲトッテ、「オハヤウゴザイマス。」ト、アイサツヲイタシマス。ヨルハダレニデモバウシヲヌイデ、「コンバ …

ゾウ　ト　ネズミ（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
あるところに、ぞうさんとねずみさんがゐました。ぞうさんはわがまゝで、おこりんぼで、ねずみさんは、おくびやうで、こわがりやでした。そのふたりが、とてもなかのよくなつたおはなしです。も …

たまごとおつきさま（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
むかし、のはらの一けんやに、にはとりが一羽すんでゐました。そののはらのむかふには、ひくい、きれいな山が三つならんで立つてゐました。ある、月のいゝばんのこと、そのにはとりが、玉子を …

チユウちやんのおたんじやう日（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
こんちはおめでたうお花をあげましよ私はあなたの大すきなオランダ人形のペチ子ちやん。長いお鼻でおくわしの車をえつさえつさとおして来たのは印度うまれの象さんよ。麦麦お …

トントンピーピ（新字旧仮名）
読書目安時間：約4分
もうぐらもちはころころころ、おてゝはみぢかし、しつぽはないし、ころころころげてにげたれど、トントンピーピのわるとびに、とうとうおくつをさらはれた。こすゞめすゞめはチユウチユウチユ …

泣いてゐるお猫さん（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
ある所にちよつと、慾ばりなお猫さんがありました。ある朝、新聞を見ますと、写真屋さんの広告が出てゐました。「写真屋さんをはじめます。今日写しにいらしつた方の中で、一番よくうつつた方 …

泣き虫の小ぐまさん（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
小ぐまさんは大変泣き虫でした。朝から晩まで、泣いてばかりゐました。ある朝、目を覚まして、お床のなかでじつとしてゐますと、ふいに、鳥小屋のにはとりが「コケコツコー。」となきました。 …

二階の窓までのびたチユーリツプ（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
あるお家にかあいいお猫さんがかはれてゐました。えりまきのかはりにもも色の首輪をつけて、たいへんハイカラにみじまひしてゐました。或日、お庭をさんぽしてゐると、とつぜん、目のまへの土 …

にはとり　は　みんな　しあわせ（新字旧仮名）
読書目安時間：約4分
あるところに、にはとりのたまごが八つありました。みなさんごぞんじのやうに、そのなかには、ひよつこがはいつてゐます。ところが、そのなかの一わのひよつこがそとにでたくなつて、なかから …

ネコ　ノ　オバアサン（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
タイヘントシトツタオバアサンネコガ、オヒルコロニナツテメヲサマシテ、ベツドノウヘヘオキアガリマシタ。オバアサンハ、セイヨウネコデシタカラ、ナイト・キヤツプトイフヅキンヲカブツテ、ナ …

ねずみさんの失敗（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
ねずみさんはとてもなまけ者です。そのねずみさんが、ねずみさんのおかみさんの部屋にとんで帰つて言ひますのに、「おかみさんや、早く着物を着換えなさい。一番いい着物に。帽子も一等いいの …

はちとくま（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
一匹の子熊が、森のなかから、のこ／＼と日あたりのいい、のはらに出てきて、倒れてゐた丸太の上にこしをおろして、うれしさうにフフンとわらひました。子熊はふところから、はちみつを入れた …

歯と眼の悪いおぢいさん（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
あるところに一人のおぢいさんがありました。おぢいさんはきのふの晩から歯が痛くて仕方がないので、ほつぺたを繃帯してお医者に行かうとしましたが、おぢいさんは貧乏なものですから、一銭もお …

〈ピツコロさん〉（新字旧仮名）
読書目安時間：約4分
町の鴉「ピツコロさん。こゝは町の真中ですよ。泣くんなら、横丁へはいつてお泣き。」ピツコロ「よけいなことを言ふな。だけど皆が俺の顔をみて笑つてる。少し恥かしいな。では、横丁へいつて …

ひつじさんと　あひるさん（新字旧仮名）
読書目安時間：約3分
あひるさんのうちのきんじよに、ひつじのやうふくやさんがありました。あひるさんは、がくかうからかへると、まいにち、ひつじさんのおみせへいって、ひつじさんが、ミシンでやうふくをぬふのを …

一人　二人（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
一人、二人、ようふくさんがはいるようふくきてるからようふくさん。三人、四人、おくつさんがはいるおくつはいてるからおくつさん。五人、六人、ぼうしさんがはいるぼうし …

プリンス・アド（新字旧仮名）
読書目安時間：約4分
美しいプリンスは、お名をアドとおつしやいます。いつも真黒なビロードの服に、まつかなマントを背にかけて、三人のおもちやの兵隊を、おつれになつて、森のなかをあるいていらつしやいます。三 …

バウシ　ノ　ユクヘ（新字旧仮名）
読書目安時間：約6分
ボンコチヤントイフ赤イリボンノツイタカハイイバウシガアリマシタ。ボンコチヤンハモンコチヤントイフ女ノ子ノバウシデシタ。モンコチヤンハ大ヘンモノヲ大切ニスル子デシタカラ、イツモ、ボ …

ポックリ　キノクツ（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
ポックリキノクツポックリコ「コーヒーオクレ」ポックリコポックリキノクツポックリコ「イヤイヤヤレナイ」ポックリコポックリキノクツポックリコ「ナゼナゼクレナイ」ポ …

迷子ノジヤガイモ（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
玉ネギサンハヱカキサンデンタ。ソレデ、田舎ノ景色バカリカイテヰルノニアキテ、街ノシヤセイヲシヤウト思ツテ、街ニキマシタガ、田舎者ノ玉ネギサンハ道ニマヨツテシマヒマシタ。交番ニユキ …

ミミヅクサン（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
ミミヅクサンハサンポニデカケマシタ。ノソリ、ノソリ、ト。ミミヅクサンハオイケノミヅヲノミマシタ。ゴクリ、ゴクリ、ト。ミミヅクサンハメガネヲオトシマシタ。ドンブ …

みみず先生の歌（新字新仮名）
読書目安時間：約3分
僕の名前はみみず、決してメメズなんて名前じゃない。僕はメメズと呼ばれると、いつでもこの長い身体が半分位にちぢまってしまうのだ。僕は土の中に住んでいる。朝から晩までせっせ …

耳長さん　と　あひるさん（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
ある朝のことです。耳長さんが、一人でランニングのおけいこをしてをりますと、一匹のあひるさんが、そばへやつて来ました。とても、ずるい、小さな、真白いあひるさんです。そして、耳長さんに …

木馬（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
走りますよおぼつちやん、ピーとなつたらはしりますよ。おめゝのなみだをおふきなさい、おはなのなみだもおふきなさい。はしりだしたらとまりませんよ、ピーとなるまでと …

もしも、あめのかはりに（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
もしも、あめのかはりにねこだのいぬだのねずみだのがふつてきたらまあ、どんなにおかしいでせうね。そして、それが、いくにちもいくにちもふりつづけたら、まあせかい …

ユキ　ノ　トンネル（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
トンネルトンネルトンネルアケロココハ天下ノ大通リ山ガアツテハヂヤマニナルトンネルトンネルトンネルホリハコツチガハカラ太郎ト次郎向フガハカラ三郎ト四郎トンネルト …

雪のよる（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
ねえむいねむいゆきのよるくうらいのきばではとぽつぽぽつぽとなけばさみしいな。とろとろねむるめがさめるぽつぽとないたはとぽつぽどこへいつたかさみしいな。 …

ライオンの大損（新字旧仮名）
読書目安時間：約2分
ある秋の一日、一匹の威張り屋のライオンが森の中で、お昼寝をしてゐる間に、大切な、日頃自慢のあごひげを、誰にとられたのか、それとも抜け落ちてしまつたのか、とにかく起きて、のどがかわい …

ワタシハ　ジヤガイモ（新字旧仮名）
読書目安時間：約1分
ワタシハジヤガイモ、ジヤガイモニシルクハツトハドウデスカ。ワタシハジヤガイモ、ジヤガイモニ長イステツキドウデスカ。ワタシハジヤガイモ、ジヤガイモニ毛糸ノカタカケドウ …