“みちみち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ミチミチ
語句割合
途々67.5%
道々8.1%
路々6.9%
途次5.6%
充満5.0%
充々1.3%
途上1.3%
途途1.3%
径々0.6%
満々0.6%
路路0.6%
途中0.6%
道中0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その途々みちみち、妹は駄々をこねていた。一緒にバスに乗って船津までお見送りしたいというのである。姉は一言のもとに、はねつけた。
律子と貞子 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「ああ、みずみたい。ああ、息苦いきぐるしくなった。」と、道々みちみちうったえましたけれど、みきは、だまっていました。
葉と幹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
路々みちみち弟子たちに教えを説かれ、かつ「人の子は人々の手に渡され、人々これを殺し、殺されて、三日の後甦るべし」
彼等かれら途次みちみちさわぐことをめないで到頭たうとう村落むら念佛寮ねんぶつれうひきとつた。其處そこにはこれ褞袍どてらはおつた彼等かれら伴侶なかま圍爐裏ゐろり麁朶そだべてあたゝまりながらつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
背戸口せどぐちは、充満みちみち山霧やまぎりで、しゅうの雲をく如く、みきなかばを其の霧でおおはれた、三抱みかかえ四抱よかかえとちが、すく/\と並んで居た。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
艇内が海水でいっぱいになって、クローリン瓦斯ガス濛々もうもう充々みちみちていても——ええ、そうですわ。あの真黒に汚れた帆が、どうしたって、私には見えずにいないと信じておりましたわ。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
生れて十七年の住みなれし家にそむき、恩愛厚き父母の膝下しっかを離れんとする苦しさは、しのぶとすれど胸に余りて、外貌おもてにや表われけん、帰るさの途上みちみちも、母上は妾の挙動をあやしみて
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
彼等は昨日のごとく三人連れで出かけた。途途みちみち時子は京都といふところは近所のうるさいところだと云つた。実枝が時時日本髪に結ふとそれさへ町内の問題になると告げた。これには礼助も驚かされて
曠日 (新字旧仮名) / 佐佐木茂索(著)
永い闘いに憔悴しょうすいしきった顔にいっそうの苦悩の色をみせながらルーダオは径々みちみちつぶやいていた。耕作小舎に辿りつくと、ルーダオは妻と十四になる娘とだけを伴って中に入った。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)
煙は中天に満々みちみちて、炎は虚空にひまもなし。まのあたりに見奉れる者、更にまなこあてず、遥に伝聞つたへきく人は、肝魂きもたましひを失へり。法相ほつさう三論の法門聖教、すべて一巻も残らず。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
日本服の上に花の附いた帽を面紗おもぎぬおほふた晶子の異様な姿に路路みちみち人だかりがする、西班女エスパニヨルだなどと評して居る者もある。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
途中みちみちうしろを振り返って行くと、明石町の手前、さむさ橋の際へ来た時、はたして後に、御家新の姿が見えた。