途上みちみち)” の例文
自分は途上みちみち「昨日のだ」と聞くたんびに、懲役笠ちょうえきがさで顔を半分隠しながら通り抜けて、シキの入口まで来た。そこで初さんがまた愚弄ぐろうしたんだから、自分は少しむっとして
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
生れて十七年の住みなれし家にそむき、恩愛厚き父母の膝下しっかを離れんとする苦しさは、しのぶとすれど胸に余りて、外貌おもてにや表われけん、帰るさの途上みちみちも、母上は妾の挙動をあやしみて
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)