道々みちみち)” の例文
かえって道々みちみちも、もりの中でかけっくらをしたり、いわの上でおにごっこをしたりしてあそあそくうちに、大きな谷川たにがわのふちへ出ました。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「ああ、みずみたい。ああ、息苦いきぐるしくなった。」と、道々みちみちうったえましたけれど、みきは、だまっていました。
葉と幹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
時計屋とけいやは、道々みちみち、思いつくかぎりの男のわる口をつぶやいた。それでも、やはりむしゃくしゃしていた。
とは、その卜斎をおそれる蛾次郎が、ビッコをひきながら道々みちみち考えもし、かみねんじるほどそうあれかしとねがってきたところで、お長屋のを見るとともに、また
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老人は長い廊下の道々みちみち、蘭子の吉崎はなに、丁寧ていねいに言い聞かせた。彼は無地のつむぎの着物に、同じ品の黒い羽織を着て、腰に両手をまわし、背中を丸くして歩いている。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
『モーすこったところたいへんにやま修行場しゅぎょうばがある。』とおじいさんは道々みちみちわたくしはなしかけます。
お葉は慌てゝつかんで来たお高祖頭巾を、道々みちみちにかむつて、羽織よりも長い鼠色の毛糸のシヨウルの下に太郎を埋めたまゝ、石垣の続いてゐる暗い道を小走りに駆けてゐた。
サクラの花びら (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
同道致候道々みちみち、愚僧の様子何となくいつもとは変りをり候ものと見え、何か仔細しさいのある事ならむとしきり問掛といかけ、はては得念自身問はれもせぬに、その身の事ども打明け話し候を聞くに
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
道々みちみちも一ぷん絶間たえまもなくしゃべつづけて、カフカズ、ポーランドを旅行りょこうしたことなどをはなす。そうして大声おおごえ剥出むきだし、夢中むちゅうになってドクトルのかおへはふッはふッといき吐掛ふっかける、耳許みみもと高笑たかわらいする。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それから木のえだって、さけのあごへ通し、それをかついであなへ帰ろうとするのですが、さすがのくまもそこまでは気がつかないとみえ、枝のさきをとめておかないものですから、さけは、道々みちみち
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
道々みちみちててある木のえだたよりにしてあるいて行きますと、なが山道やまみちにもすこしもまよわずにうちまでかえりました。
姨捨山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
おじいさんは、すずめがしたられてどこへ行ったか心配しんぱいでたまりませんので、あくる日は、があけるとさっそく出かけていきました。おじいさんは道々みちみち、つえをついて
舌切りすずめ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
六部ろくぶはそれから道々みちみちも、人身御供ひとみごくうげられるかわいそうなむすめのことや、大事だいじ一粒種ひとつぶだねられていく両親りょうしんこころおもいやって、人知ひとしれずなみだをこぼしながら、やがてむらを出はずれました。
しっぺい太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)