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みちみち
ふりがな文庫
“
途次
(
みちみち
)” の例文
途次
(
みちみち
)
小児科医の家の前を通る度に、学士は車を停めて、更に注射を加えて行こうかと考えて、到頭それも試みずに本郷へ着いた。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼等
(
かれら
)
は
途次
(
みちみち
)
も
騷
(
さわ
)
ぐことを
止
(
や
)
めないで
到頭
(
たうとう
)
村落
(
むら
)
の
念佛寮
(
ねんぶつれう
)
へ
引
(
ひき
)
とつた。
其處
(
そこ
)
には
此
(
これ
)
も
褞袍
(
どてら
)
を
被
(
はお
)
つた
彼等
(
かれら
)
の
伴侶
(
なかま
)
が
圍爐裏
(
ゐろり
)
へ
麁朶
(
そだ
)
を
燻
(
く
)
べて
暖
(
あたゝ
)
まりながら
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何とか
好
(
いい
)
智慧
(
ちえ
)
はないか知らぬと帰る
途次
(
みちみち
)
も色々に
頭脳
(
あたま
)
を悩ました末に、父に
対
(
むか
)
ってこういう嘘を
吐
(
つ
)
いた。
一日一筆
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
Cさんは、そのお爺さんを、そのお爺さんの
家
(
うち
)
まで送って、自分でその日の牛乳を配達したんですって。それからずっと今日まで、毎日学校へ来る
途次
(
みちみち
)
、お爺さんの配達のお
手伝
(
てつだい
)
をなさるんですって。
大きな手
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
叔父叔母の顔を眺め、若い人達の噂を聞くにつけても、豊世は気が変って、
途次
(
みちみち
)
考えて来たようなことは言出さなかった。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
被害者
(
ひがいしや
)
が
駐在所
(
ちうざいしよ
)
へ
驅
(
か
)
けつける
間
(
ま
)
に、
畑
(
はたけ
)
の
遠
(
とほ
)
くに
離
(
はな
)
れ/″\に
散
(
ち
)
らばつて
居
(
ゐ
)
る
百姓等
(
ひやくしやうら
)
は
悉
(
ことごと
)
く
其
(
そ
)
れを
知
(
し
)
つた。
被害者
(
ひがいしや
)
は
途次
(
みちみち
)
大聲
(
おほごゑ
)
を
出
(
だ
)
して
呶鳴
(
どな
)
つて
行
(
い
)
つたからである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
節子は
途次
(
みちみち
)
いろいろなことを思いながらやって来たという風で、岸本に
随
(
つ
)
いて人通りも少い途を静かに歩いた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
途次
(
みちみち
)
私達に向って、「この牧場は芝草ですから、牛の為に好いです」とか「今は木が低いから、夏はいきれていけません」とか、
種々
(
いろいろ
)
な事を言って聞かせた。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「時に、本陣の御主人、拙者は
途次
(
みちみち
)
仕置場
(
しおきば
)
のことを考えて来たが、この辺では竹は手に入るまいか。」
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
途次
(
みちみち
)
彼女は種々なことを考えて行った。どうかすると彼女は、自分の結婚の生涯を無意味に考えた。絶対の服従を女の生命とするお種のような、そういう考えは豊世には無かった。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
途次
(
みちみち
)
技手は私を顧みて、ある小説の中に、
榛名
(
はるな
)
の朝の飛雲の赤色なるを記したところが有ったと記憶するが、飛雲は低い処を行くのだから、赤くなるということは
奈何
(
いかが
)
などと話した。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
途次
(
みちみち
)
厳
(
きび
)
しい検閲で旅の手帳を取上げられるくらいのことは覚悟しても、
英吉利
(
イギリス
)
から北海を越え、日頃見たいと思う北欧羅巴の方を廻って、
西比利亜
(
シベリア
)
を通って帰って行く汽車旅を択ぼうか。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
烏帽子山麓
(
えぼしさんろく
)
に寄った方から通って来る泉が、田中で汽車に乗るか、又は
途次
(
みちみち
)
写生をしながら小諸まで歩くかして、一週に一二度ずつ塾へ顔を出す日は、まだそれでも高瀬を相手に話し込んで行く。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
僕が
田圃側
(
たんぼわき
)
なぞに
転
(
ころ
)
がっていると、向の谷の方から三脚を持った人がニコニコして帰って来る——
途次
(
みちみち
)
二人で画や風景の話なぞをして、それから僕がSさんの家へ寄ると、写生を出して見せてくれる
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“途次”の意味
《名詞》
ある場所へ向かう道の途中。接続助詞的にも用いる。
(出典:Wiktionary)
途
常用漢字
中学
部首:⾡
10画
次
常用漢字
小3
部首:⽋
6画
“途”で始まる語句
途
途中
途端
途々
途方
途切
途絶
途轍
途上
途断