“みち/\”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
途々46.9%
道々21.9%
路々9.4%
充満6.3%
滿々6.3%
満々3.1%
途次3.1%
道中3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そう云って、父はそれからやかたへ帰る途々みち/\、滋幹と並んで歩きながら次のようなことを語って聞かしたのであった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
かなしい希望は、はるかな道々みち/\につながつて、彼等二人は、あてどもなく歩いて行つた。
幸福への道 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
帰る途中とちうも不愉快でたまらなかつた。此間このあひだ三千代につて以後、味はう事を知つた心の平和を、ちゝあによめの態度で幾分か破壊されたと云ふ心持が路々みち/\募つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おすといふはたれともなくサンヨウ/\と大音だいおんよばはるこゑの下に、堂内に充満みち/\たる老若男女ヲヽサイコウサイとよばはりて北より南へどろ/\と押、又よばはりて西より東へおしもどす。
かれ物言はで逃去りぬ、此時我は怒り滿々みち/\し一のチェンタウロ、何處いづこにあるぞ、執拗かたくななる者何處にあるぞとよばはりつゝ來るを見たり 一六—一八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
左りの手にてかこう筈なし余は最早もはや我が心をおさゆあたわず、我が言葉をも吐くあたわず、身体に満々みち/\たる驚きに、余は其外の事を思う能わず、あたかも物に襲われし人の如く一せい高く叫びしまゝ
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
それで車錢くるませんだけでもいくたすかるかれないといふので貧乏びんばふ百姓ひやくしやうからよばれてるのであつた。勘次かんじ途次みち/\しな容態ようだいかたつて醫者いしや判斷はんだんうながしてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
櫻木海軍大佐等さくらぎかいぐんたいさらすまへるいへまでは、此處こゝから一哩いちマイルほどあるさうだ。此時このときふとこゝろおもつたのは、先刻せんこくからてつひゞきはつするところ其處そこではあるまいか、道中みち/\大佐たいさはさま/″\のことわたくしひかけた。