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徑
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みち
ふりがな文庫
“
徑
(
みち
)” の例文
新字:
径
老夫は鞭を
驢
(
うさぎうま
)
に加へて、おのれもひたと引き添ひつゝ、暗き
徑
(
みち
)
を
馳
(
は
)
せ出せり。われは猶媼の一たび手もて
揮
(
さしまね
)
くを見しが、その姿忽ち
重
(
かさな
)
る梢に隱れぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
……
去年
(
きよねん
)
の
春
(
はる
)
ごろまでは、
樹蔭
(
こかげ
)
の
徑
(
みち
)
で、
戸田街道
(
とだかいだう
)
の
表通
(
おもてどほ
)
りへ
土地
(
とち
)
の
人
(
ひと
)
たちも
勝手
(
かつて
)
に
通行
(
つうかう
)
したのだけれども、いまは
橋際
(
はしぎは
)
に
木戸
(
きど
)
が
出來
(
でき
)
て、
館
(
くわん
)
の
構内
(
こうない
)
に
成
(
な
)
つた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何の風情もない、饅頭笠を伏せた樣な芝山で、
逶迤
(
うねくね
)
した
徑
(
みち
)
が嶺に盡きると、太い杉の樹が
矗々
(
すく/\
)
と、八九本立つてゐて、二間四方の荒れ果てた愛宕神社の
祠
(
ほこら
)
。
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
徑
(
みち
)
を歩いてゆく私の影はすくすくと立つた杉の柱を𢌞折して來る、冬の日よりもまだ弱い日向のなかにあらはれ、木立のなかに消えたり、熊笹の上を這つたりした。
闇への書
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
もう明るさが紙の上にはうすらいでいつたけれど、私はすら/\と書きつゞけてゐると、そのとき何か知ら
徑
(
みち
)
を上つてきて、私から二
碼
(
ヤード
)
ばかりの處に何か止つたのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
そしてこれは瀧壺へ下りさせるに足る
徑
(
みち
)
を開くに限ると考へた。
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
八五郎の氣の輕さ、其處から畑の中の
徑
(
みち
)
を一散に飛びます。
銭形平次捕物控:173 若様の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ゆきなれし小
徑
(
みち
)
をゆきき
駱駝の瘤にまたがつて
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
徑
(
みち
)
を川邊にもとむれば
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
今私が登つて行く
徑
(
みち
)
を、殆んど九年も前に下つて行つたときも矢張り彼女に連れられてだつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
もとの
徑
(
みち
)
を、おも
屋
(
や
)
と
隔
(
へだ
)
てて
廣
(
ひろ
)
い
空地
(
あきち
)
があつて、
追
(
お
)
つては
庭
(
には
)
に
造
(
つく
)
るのださうで、
立樹
(
たちき
)
の
間
(
あひだ
)
に
彼方此方
(
あちこち
)
、
石
(
いし
)
が
澤山
(
たくさん
)
に
引込
(
ひきこ
)
んである。
川
(
かは
)
に
添
(
そ
)
つて
古
(
ふる
)
い
水車小屋
(
すゐしやごや
)
また
茅葺
(
かやぶき
)
の
小屋
(
こや
)
もある。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
數條の
徑
(
みち
)
、小房多き數軒の家あり。その壁には丹青の色殘れり。エルコラノの市の天日に觸るゝ處は唯だこれのみなりといへば、工事の未だはかどらざることポムペイの
比
(
たぐひ
)
にあらずと覺し。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その
徑
(
みち
)
に待ちし子らさへ
故郷の花
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
酒代
(
さかて
)
は
惜
(
をし
)
まぬ
客人
(
きやくじん
)
なり、
然
(
しか
)
も
美人
(
びじん
)
を
載
(
の
)
せたれば、
屈竟
(
くつきやう
)
の
壯佼
(
わかもの
)
勇
(
いさみ
)
をなし、
曳々聲
(
えい/\ごゑ
)
を
懸
(
か
)
け
合
(
あ
)
はせ、
畷
(
なはて
)
、
畦道
(
あぜみち
)
、
村
(
むら
)
の
徑
(
みち
)
、
揉
(
も
)
みに
揉
(
も
)
んで、三
里
(
り
)
の
路
(
みち
)
に八九
時間
(
じかん
)
、
正午
(
しやうご
)
といふのに、
峠
(
たうげ
)
の
麓
(
ふもと
)
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
盜人の
徑
(
みち
)
のごと安らふときなきを
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
徑
部首:⼻
10画
“徑”を含む語句
捷徑
直徑
小徑
細徑
徑路
畑徑
長徑
絲徑
細徑傳
石徑
直情徑行的
畦徑
半徑
球不知徑
徑省
徑尺
幽徑
坂徑