べる)” の例文
板橋がよひのがたくり馬車がつじを曲りかけてけたゝましくべるを鳴らしてゐた。俥、荷車、荷馬車、其が三方から集ツて來て、此處でちよつと停滞する。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
男は「八なら此方こちらで買わあ、一万でも二万でも……」と笑いながら出て行く。電話のべるは相変らず鳴っている。
一日一筆 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
まもなく寒い外にくるまべるがなりひゞいて、背の小さな青い顔の、黒い服を着た男が入って来た。すると産婆が急に席をうごいて、口をゆがめて笑ひながら医者に長い挨拶をした。
かなしみの日より (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
もとより発車をしらせるべるも無ければ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
よよとし泣けばべる鳴りぬ
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)