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實固
大く
彫て居ました又大岡殿梅が死體の
證據は何じや憑司之は
實とした證據は
存じませぬと云ふにぞ越前守殿早我は娘の事
目的ありやと仰さるれはお早ハイ
現在の一人娘何見違へませう
姿着類と云ひ聊か
相違御座りませんと云へば大岡殿コリヤ早其方が娘の
體に
疵はないかお早一向に御座りませぬと答るに
實固さうかと期を
れ憑司に
向はれ其方が段々願ひの
趣き
確固なる
證據もなし然らば
急度傳吉が
所行とも相分らず
麁忽の訴へに及びしは不屆に思はる人命
重しとする所只々着類ばかり似たりとて兩人の
子供なりと申すと言ども世には
染色模樣など同樣
成着類
着せし者往々あることなり但し
死體に
實固なる目當ありしやと云るゝに憑司は