“洞察”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
どうさつ69.8%
みぬ9.3%
みぬい4.7%
みぬか2.3%
みとお2.3%
みとおし2.3%
みとほ2.3%
みぬかれ2.3%
みぬく2.3%
みぬけ2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そしてそのためには、人の心理を洞察どうさつする聡明そうめい智慧ちえと、絶えず同化しようと努めるところの、献身的な意志と努力が必要である。
「なるほど、そんなことでもありましょうか、こりゃ、いかにも大事おおごとだ。……でも、阿古十郎さん、あなた、あの都鳥を見ただけで、どうして、それだけのことを洞察みぬきました」
顎十郎捕物帳:03 都鳥 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「ソノー気心が解らんから厭だというなら、エー今年の暮帰省した時に、逢ッてよく気心を洞察みぬいた上で極めたら好かろうといって遣しましたが、しかし……」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
川へながしたるに女の首のみやなぎえだとまりたるは則ちえんも引ものか左右とかくあやしき所なり必定ひつぢやう此公事は願人共の不筋ふすぢならんと流石さすが明智めいち眼力がんりき洞察みぬかれしこそ畏こけれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これだけの材料で逸早く事件の本態を洞察みとおし、大体こんなところだろうと、「安南皇帝の殺人! 当局隠祕に狂奔」という標題で察しのいいところをザラ紙の原稿紙に十枚ほど書き上げたところへ
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
まあできるだけの世話はしたつもり、しかし恩にせるとおもうてくれるな、上人様だとて汝の清潔きれいな腹の中をお洞察みとおしになったればこそ、汝の薄命ふしあわせを気の毒とおもわれたればこそ今日のようなお諭し
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
つくされしは京都堂上方だうじやうがた御内みうち關係かゝはるの事がらなればなりされど四海にとゞろ明智めいち忠相たゞすけ殿ゆゑ始終しじうの所まで洞察みとほされて嚴敷きびしくたづねられければ大惡だいあく無道ぶだうの安間平左衞門も終に白状に及び口書も相濟あひすみとがめの次第を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大概たいがい洞察みぬかれし樣子にて扨てはあやしき事なりその女をころし又昌次郎梅等が着物きものを着せ置傳吉に難儀なんぎを掛罪におとさんとはかりしやも知難し首をかくす程なれば着類きものをも剥取はぎとるべきに夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ドストイエフスキイは、子供を描く力と、子供の微妙な性格とに衝き込んで洞察みぬくこととに鋭い理解と温かい不断の精心とを持つてゐた。
愛の詩集:03 愛の詩集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
こんなにたわいのないことを洞察みぬけないで、よく今日まで吟味方がつとまったものだ。日頃の強情にも似ず、すっかり弱り切っている叔父のようすを見ると、気の毒でもあり可笑しくもある。
顎十郎捕物帳:02 稲荷の使 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)