洞察みぬ)” の例文
「なるほど、そんなことでもありましょうか、こりゃ、いかにも大事おおごとだ。……でも、阿古十郎さん、あなた、あの都鳥を見ただけで、どうして、それだけのことを洞察みぬきました」
顎十郎捕物帳:03 都鳥 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
あんな素知そしらぬかおをしてられても、一から十までひとこころなか洞察みぬかるる神様かみさま、『このおんなはまだ大分だいぶ娑婆しゃばくさみがのこっているナ……。』そうおもっていられはせぬかとかんがえると
「どうだ、阿古十郎。あの石井順庵が、これはコロリだと言い切ったのだが、与力筆頭の眼力はそんなチョロッカなもんじゃない。これは、なにかアヤがあると、たちまち洞察みぬいてしまった」
顎十郎捕物帳:05 ねずみ (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
どういう入りんだ事がらでも即座に洞察みぬいてしまう。