“みぬ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
見貫28.6%
見抜17.9%
洞察14.3%
看抜10.7%
見拔10.7%
観抜7.1%
洞看3.6%
看破3.6%
身脱3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……彼奴は吾輩が昨夜からここに居据いずわりで居る事を、今朝けさ本館の玄関を這入ると同時に見貫みぬいていたに違いない。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
香具師やしは、どこからんできたものか、または、いつむすめ姿すがたて、ほんとうの人間にんげんではない、じつにめずらしい人魚にんぎょであることを見抜みぬいたものか、あるのこと
赤いろうそくと人魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あんな素知そしらぬかおをしてられても、一から十までひとこころなか洞察みぬかるる神様かみさま、『このおんなはまだ大分だいぶ娑婆しゃばくさみがのこっているナ……。』そうおもっていられはせぬかとかんがえると
然しながら我々はこれを彼の歩きぶりから看抜みぬいたのでなく、ほかの如何なる目的も想像しがたい理由によつて、かう考へてみるのであつた。
風人録 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
ロレ おゝ、それは、そなたこひをば、會得ゑとくしてもゐぬことを、たゞ口頭くちさきたぐひぢゃと見拔みぬいてゐたためでもあらう。
「いわないでも、観抜みぬいていました。怖ろしく頭脳あたまのいい人ですから」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
若し洞看みぬく事が出来たなら、縦し又燃える火に我が手を差し入れる事はするとも、此の鍵穴へ錠を突き入れる事はせぬ所で有っただろう、けれど悲しい哉、爾まで見抜く眼力はない
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
谷山家の内情……特に龍代の放埒ほうらつの底意を、ドン底まで看破みぬいておりましたAは、それから一か八かの芝居を巧みに打って、私を谷山家の養子にめ込んでしまうと、いい加減な口実を作って
キチガイ地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
身脱みぬけの出来ぬおれの負債を。うむ、それもよしこれもよし。さてはかりごとをめぐらそうか。事は手ッ取り早いがいい。「兵は神速」だ。駈けを追ってすぐに取りかかろうぞ。よし。始めよう。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)