看抜みぬ)” の例文
作「なにいやどころではない、貴様の心底を看抜みぬいての上だから、人は容貌みめよりたゞ心じゃ、何しろ命を助けてくれた恩人だから、否応なしで」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
然しながら我々はこれを彼の歩きぶりから看抜みぬいたのでなく、ほかの如何なる目的も想像しがたい理由によつて、かう考へてみるのであつた。
風人録 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
そんな事は思いまったら宜かろう、それより相変らず当家に奉公してればわしあれ温順おとなしい事も看抜みぬいてるから、後々には私も力になってやろう
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
貴様は何でもずか/\云ってくれる所の気象を看抜みぬいているから、己は貴様と親類になりたいと思うが、何うだ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わしは妻を定むるのに身分の隔てはない事で、唯お前の心掛けを看抜みぬいて、此の人ならばと斯う思ったから、実はお前に心のたけを山々書いて贈ったのである
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)