洞察みぬい)” の例文
「ソノー気心が解らんから厭だというなら、エー今年の暮帰省した時に、逢ッてよく気心を洞察みぬいた上で極めたら好かろうといって遣しましたが、しかし……」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
さて夕陽新聞記者古市加十は、安南皇帝附き諜報部長宋秀陳から、今朝噴水の鶴が安南の国歌を唄ったという取とめない一揷話エピソードをきくと、卒然としてこの錯雑紛糾した事件の真相を洞察みぬいてしまった。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)