“ひそか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
35.6%
21.8%
18.4%
11.9%
4.6%
2.7%
1.9%
0.8%
0.4%
0.4%
内密0.4%
0.4%
極竊0.4%
閑寂0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかれどもなほやすんぜず、ひそかに歎じて曰く宮本武蔵は※々ひひを退治せり。洋人の色に飢るや綿羊を犯すものあり。僕いまだくここに到るを得ずと。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
ひそかにおもひに堪へざりしことの今なほ記憶に新たなるものあり、キイツが「いかばかり、われは愛づるよ、うるはしき夏のゆふべに」
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
娘は父親にいえば不興ふきょうこうむるのを知っていたが、病気の経過が思わしくないので、思い余ってひそかにA夫人に手紙を出したのであった。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
彼等はわたくしが夜ひそかに墨水をわたって東に遊ぶ事を探知したなら、更に何事を企図するか測りがたい。これ真に恐る可きである。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
神佛の感應かんおうまし/\天よりして養子やうしにせよと授け給ひし者成べし此家をつがせん者末頼母すゑたのもしと語合かたらふを吉之助ひそかに聞て心の内に冷笑あざわらへど時節を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
龐涓はうけんすでつかへ、惠王けいわう將軍しやうぐんるをて、みづか以爲おもらへく(一五)のう孫臏そんびんおよばずと、すなはひそかに((人ヲシテ))孫臏そんびんさしむ。ひんいたる。
与右衛門は思うとおりになったので、ひそかに喜んでいると、その後妻はすぐ病気になって死んでしまった。
累物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
新しい思想家でもあり戦士でもある猪子蓮太郎といふ人物が穢多の中から産れたといふ事実は、丑松の心に深い感動を与へたので——まあ、丑松の積りでは、ひそかに先輩として慕つて居るのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
令史れいしすくなからず顛動てんどうして、夜明よあけて道士だうしもといた嗟歎さたんしてふ、まことのなすわざなり。それがしはたこれ奈何いかんせむ。道士だうしいはく、きみひそかにうかゞふことさら一夕ひとばんなれ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
令史れいしおほいあやしみ、すなはことばごとく、宿直とのゐひそかかへりて、他所たしよにかくれてつまうかゞふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宮は美き目を挙げて、求むるところあるが如くひそかに男の顔を見たり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
乘越て上野の山内へ入者いるものありしかば大いにあやし田村權右衞門たむらごんゑもんへ申斷り内密ひそかに清水門より入りて見廻けるに夫ぞと思ふこともなけれど中堂のえんの下何となく怪し氣に思はるゝゆゑ傍邊かたはらへ身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
また娘が寝たきりになってからはひそかに薬をもらいに行ってやったりしたことがあるということを、あるときそのお婆さんが愚痴話に吉田の母親をつかまえて話したことがあると言って
のんきな患者 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
一、先日中三丈夫ママ関の方へ御帰りの時分なりと思ふが、内同薩の者より極竊ひそかニ承りたるにハ隊の者大夫の身上を大ニ論じせいだしておりたるよし。
ベンヺ こゝは往來わうらいぢゃ、どうぞ閑寂ひそかところ冷靜しづか談判だんぱんをするか、さもなくばわかれたがよい。衆人ひとるわ。