“そっ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
密58.2%
窃24.6%
徐3.7%
竊2.2%
静2.2%
剃2.2%
私1.5%
率1.5%
悉0.7%
潜0.7%
其処0.7%
卒0.7%
添0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と止せば宜(い)いのに早四郎はお竹の寝床の中で息を屏(こら)して居りました。暫(しばら)く経(た)つと密(そっ)と抜足(ぬきあし)をして廊下をみしり/\と来る者があります。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
斯(こ)う云(い)うのは全く此方(こっち)が悪い。人の勉強するのを面白くないとは怪(け)しからぬ事だけれども、何分興(きょう)がないから窃(そっ)と両三人に相談して
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
一寸(ちょっと)お尻を撫(な)でてから、髪を壊(こわ)すまいと、低く屈(こご)んで徐(そっ)と門を潜(くぐ)って出て行くが、時とすると潜る前にヒョイと後(うしろ)を振向いて私と顔を看合せる事がある。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
はっと裳(もすそ)を摺(す)らして、取縋(とりすが)るように、女中の膝を竊(そっ)と抱き、袖を引き、三味線を引留めた。お三重の姿は崩るるごとく、芍薬(しゃくやく)の花の散るに似て
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あの墓石を寄せかけた、塚の糸枠の柄にかけて下山した、提灯が、山門へ出て、すこしずつ高くなり、裏山の風一通り、赤蜻蛉が静(そっ)と動いて、女の影が……二人見えた。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
此処(こゝ)に伯父が住職して居るから金まで盗んで高飛(たかとび)し、頭を剃(そっ)こかして改心するから弟子にしてと云うて、成らぬと云うを強(たっ)て頼み、斯う遣(や)って今では住職になって
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
きっとあの火の燃えている処には人がいようと思って、怖る怖る足音を忍んで鉄の戸の側に近寄って私(そっ)と隙間から内を覗いたが、ぼうっと火気の熱(ほて)り気(が)を感じたのみで何(な)にも目に入らなかった。
暗い空 (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼はその後、終南山(しゅうなんざん)にひそんでいたが、天子ここを通ると知って、にわかに手勢一千を率(そっ)し、急雨の山を降(くだ)るが如く、野を捲いて、これへ馳けて来たものだった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
庄「お美代お前(まえ)と己の紋が有る、似た紋も有るが不思議じゃアねえか、不思議じゃアねえかよ、えゝ悉(そっ)くり二人の紋が付いてるとは是りゃア不思議じゃアねえか」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あなた紋が悉(そっ)くり附着(くッつ)いて居やすが、お廉(やす)く何うか廉くお買いなすって下さりア有難てえんですがな、わっちが質屋なんぞに持って往(ゆ)きますと手数が掛っていけませんや
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「それではね、私がここに見ていますからね、貢さん、潜(そっ)と行って、あの、格子まで行って、見て来て御覧。」
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「いえどうもしませんけれど、少し何んですから、まあ、潜(そっ)と行って見ていらっしゃい。」
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ヨーギ、其処(そっ)から、どらんこ(煙草を入れる佩嚢(どうらん))持って来う。——ほして、汝(にし)も少し休め。うむ、ヨーギ。」と一本の小さな栗の木を指(さ)しながら言った。
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
太宰少弐小野老朝臣(だざいのしょうにおぬのおゆのあそみ)の歌である。老(おゆ)は天平十年(続紀には九年)に太宰大弐(だざいのだいに)として卒(そっ)したが、作歌当時は大伴旅人が太宰帥(だざいのそち)であった頃その部下にいたのであろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
既に幾たびも君が学資に窮して、休学の已(や)むを得ざらんとするごとに、常に仏(フランス)文の手紙が添(そっ)て、行届(ゆきとど)いた仕送(しおくり)があったではないか。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)