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竊
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そっ
ふりがな文庫
“
竊
(
そっ
)” の例文
新字:
窃
わたくしは
竊
(
そっ
)
と眼をあげてうかゞいますと、奥様は真蒼な顔をして、
口脣
(
くちびる
)
をしっかり結んで、たゞ黙って坐っておいでになりました。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
はっと
裳
(
もすそ
)
を
摺
(
す
)
らして、
取縋
(
とりすが
)
るように、女中の膝を
竊
(
そっ
)
と抱き、袖を引き、三味線を引留めた。お三重の姿は崩るるごとく、
芍薬
(
しゃくやく
)
の花の散るに似て
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すぐに奥様にそのお話をして、それから自分の部屋へ退ってお朝にも
竊
(
そっ
)
と耳打ちを致しますと、お朝はなぜだか
忌
(
いや
)
な顔をしていました。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と
祖母
(
としより
)
も
莞爾
(
にっこり
)
して、嫁の
記念
(
かたみ
)
を取返す、二度目の
外出
(
そとで
)
はいそいそするのに、手を
曳
(
ひ
)
かれて、キチンと
小口
(
こぐち
)
を揃えて置いた、あと三冊の兄弟を、父の
膝許
(
ひざもと
)
に残しながら、出しなに、台所を
竊
(
そっ
)
と
覗
(
のぞ
)
くと
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
照之助は黙って
竊
(
そっ
)
と這入って来ましたので、わたくしは探りながらその手を
把
(
と
)
って、お居間の方へ案内してまいりました。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
と、
竊
(
そっ
)
と痛そうに胸を
圧
(
おさ
)
えた。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女房が
竊
(
そっ
)
と
睨
(
にら
)
んで
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
竊
部首:⽳
22画
“竊”を含む語句
竊盗
剽竊
竊取
心竊
剽竊版
強竊盗
極竊
竊々
竊伺
竊盜
竊鼠々々
鼠竊々々