“そッ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
50.0%
25.0%
25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
戸を開けて、立ちながらそッと呼ぶと、お絹は、金煙管きんぎせるに持添えた、女持ちの嵯峨錦さがにしきの筒を襟下に挟んで、すっと立った。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うちの横町の角迄来てくすぐッたいような心持になって、そッと其方角を観る。果してポチが門前へ迎えに出ている。私を看附みつけるや、逸散いっさんに飛んで来て、飛付く、める。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そッと格子戸のうちを覗いて見ると、赤い鼻緒や海老茶の鼻緒のすがった奇麗な駒下駄が三四足行儀よく並んだ中に、一足紫紺しこんの鼻緒の可愛らしいのが片隅に遠慮して小さく脱棄ぬぎすててある。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
その内に、同じくのッつ、そッつ、背中を橋に、草に頸窪ぼんのくぼを擦りつけながら、こう、じりりじりりと手繰たぐられるていに引寄せられて、心持動いたげにございました。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)