そッ)” の例文
我身なかばはその蝶にしたるかと、お雪は呆れ顔をして身内を見たが、にわかに色を染めてそッと少年を見ると、目を開かず。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
戸を開けて、立ちながらそッと呼ぶと、お絹は、金煙管きんぎせるに持添えた、女持ちの嵯峨錦さがにしきの筒を襟下に挟んで、すっと立った。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「動物園かてあるいうよって、そッと出て来やはりしめえんか、おそろしな。」
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)