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破家
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あばらや
ふりがな文庫
“
破家
(
あばらや
)” の例文
たとひ軒端がくづれて、朽ち腐つた
藁屋根
(
わらやね
)
にむつくりと
青苔
(
あをごけ
)
が生えて居るやうな
破家
(
あばらや
)
なりとも、親から子に伝へ子から孫に伝へる自分の家を持つて居た。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
その濁流の中を泳いで行くめあては、今しも中流を流れ行く一軒の
破家
(
あばらや
)
の屋根のあたりであるらしく見えます。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
叱
(
しっ
)
!」とばかり、此の時覚悟して立たうとした桂木の
傍
(
かたわら
)
に
引添
(
ひきそ
)
うたのは、再び目に見えた
破家
(
あばらや
)
の
媼
(
おうな
)
であつた、
果
(
はた
)
せるかな、糸は其の手に無かつたのである。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
おいテナルディエ・ジョンドレット、君がオピタル大通りの
破家
(
あばらや
)
にいた所を、僕は見て知っている。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
閉め切ってる
破家
(
あばらや
)
のうちに響いた声が、すっと外へ筒抜けてしまって、後がしいんとなった。久七は駄々っ児のように身を
揺
(
ゆす
)
っていたが、いきなり上り口の柱へしがみついていった。
特殊部落の犯罪
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
▼ もっと見る
恰もそれは雑草に埋れた
破家
(
あばらや
)
の感じで、得体の知れない蔓草に窓も壁も蔽われて、更にこの宿泊所の陰鬱な
零落者
(
おちぶれもの
)
の蔭を濃くするために、葉の繁ったアカシヤの木立が深々と枝を垂れていた。
放浪の宿
(新字新仮名)
/
里村欣三
(著)
「この家だ。住み荒して、見るかげもない
破家
(
あばらや
)
だが」
肌色の月
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
恁
(
か
)
くてしばらくの
間
(
あいだ
)
といふものは、
轡
(
くつわ
)
を鳴らす音、
蹄
(
ひづめ
)
の音、ものを呼ぶ声、叫ぶ声、
雑々
(
ざつざつ
)
として
物騒
(
ものさわ
)
がしく、此の
破家
(
あばらや
)
の庭の如き、
唯
(
ただ
)
其処
(
そこ
)
ばかりを
劃
(
くぎ
)
つて四五本の
樹立
(
こだち
)
あり
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして彼女がはいって来ると、その
破家
(
あばらや
)
も楽園となるのだった。ジャン・ヴァルジャンも喜びに輝き、コゼットに与える幸福によってまた自分の幸福も増してくるのを感じた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
私どもは初めは大通りの
破家
(
あばらや
)
に住み、それから修道院に住み、次にリュクサンブールの近くに住んでいました。あなたが始めて彼女に会われたのはリュクサンブールでですね。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
零余子
(
むかご
)
などを取りに参ります処で、知っておりますんでございますが、そんな
家
(
うち
)
はある
筈
(
はず
)
はございません、
破家
(
あばらや
)
が一軒、それも
茫然
(
ぼんやり
)
して風が吹けば消えそうな、そこが
住居
(
すまい
)
なんでございましょう。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あのゴルボーの
破家
(
あばらや
)
における活劇のことを、争闘の間沈黙していて次に逃げ出すという不思議な行動を被害者が取ったあの活劇のことを、コゼットに一口も語らなかったのを。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
破家
(
あばらや
)
に
絡
(
まと
)
うて置くのかと思つた。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
破
常用漢字
小5
部首:⽯
10画
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
“破”で始まる語句
破
破綻
破片
破目
破風
破壊
破落戸
破廉恥
破屋
破鐘