特殊部落の犯罪とくしゅぶらくのはんざい
「久七、お前が好きな物持って来ただよ。」 晴々しい若い声と共に、表の戸ががらりと引開けられた。 とっつきの狭い土間、それから六畳ばかりの室、その室の片隅に、ぼろぼろの布団の上へ、更に二枚の蓆をかけて寝ていたのを、むっくり上半身だけ起してみる …