“はいおく”の漢字の書き方と例文
語句割合
廃屋100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いくども呼鈴よびりんをおしましたが、誰れもドアを開けにきません。二階のほうを見あげてみますと、どの窓も、しっかりと鎧扉よろいどがとざされ、廃屋はいおくのように森閑としずまりかえっています。
キャラコさん:08 月光曲 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
南瓜畑かぼちやばたけの中を腰のあたりまでかくしてかさかさと音をさせながら前進して行く。廃屋はいおくの一つを越え、さらにもう一つの廃屋を通りすぎる。だんだんさびしさが増し、神経がいやにとんがる。
骸骨館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いまここの別院は廃屋はいおくも同然でつかっていない。——しかるに、旧役部屋らしい一室にふたりは対坐したのである。なにか極密な打ちあわせでもあるらしい。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)