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どころ
北八大丈夫だ、と
立直つて
悠然となる。
此邊小ぢんまりとしたる
商賣の
軒ならび、しもたやと
見るは、
産婆、
人相見、お
手紙したゝめ
處なり。
彼は
身を
殺さうとまで
其の
薄弱な
意思が
少しのことにも
彼を
苦しめる
時、
彼を
衝動つて
盜性がむか/\と
首を
擡げつゝあつたのである。
勘次はもう
仕事をする
處ではない。
逃げもせねば
隱くしもしない、
正太さんは
居ぬでは
無いか、
此處は
私が
遊び
處、お
前がたに
指でもさゝしはせぬ、ゑゝ
憎くらしい
長吉め、三ちやんを
何故ぶつ、あれ
又引たほした
叩きければ八五郎は飛でいで
先生樣子は如何やと云ながら門の戸
引明ければ後藤は
汗を
押拭ひ
如何處か誠に危き事なり亭主貴樣の云し通り今一ト
足遲いと間に合ぬ處なりしが
丁度間を
小判處か、
一分一ツ
貸してくれる
相談がない
處から、むツとふくれた
頬邊が、くしや/\と
潰れると、
納戸へ
入つてドタリと
成る。
所謂フテ
寢と
云ふのである。
改めて
言ふまでは
無けれど
私には
親もなし
兄弟もなし、
差配の
伯父さんを
仲人なり
里なりに
立てゝ
來た
者なれば、
離縁されての
行き
處とてはありませぬ、
何うぞ
堪忍して
置いて
下され
目前に
其萎れた
姿を
見ると
有繋に
憐に
成つて
叱る
處ではなかつた。
救ひ助け
度者と
種々に思案しながら我が家へ歸り來りしに女房お
梅は
立出てヤレ/\御歸りなされしか
何時になく
遲いにより大いに御
案事申して居たなれど今度の
狂言は
刎幕がよいと云事故芝居の
切でも
覗いて御出かと思ひましたと云に何サお
梅芝居處か
今日珍らしい御方に御目に掛り
夫故大いに
遲くなりしと申ければお梅夫は
面白くも
可笑しくも
何ともない
人といふに、
夫れにお
前は
何うして
逆上せた、これは
聞き
處と
客は
起かへる、
大方逆上性なのでござんせう、
貴君の
事をも
此頃は
夢に
見ない
夜はござんせぬ
「むき
蟹。」「
殼附。」などと
銀座のはち
卷で
旨がる
處か、ヤタ
一でも
越前蟹(
大蟹)を
誂へる……わづか
十年ばかり
前までは、
曾席の
膳に
恭しく
袴つきで
罷出たのを、
今から
見れば、
嘘のやうだ。
夫れは
夫れは
押へ
處の
無いお
方、まあ
今宵は
何處へお
泊りにて、
昨日はどのやうな
嘘いふてお
歸り
遊ばすか、
夕かた
倶部樂へ
電話をかけしに三
時頃にお
歸りとの
事、
又芳原の
式部がもとへでは
無きか
際どい
處か、
發車には
未だ
三分間ある。
母さんに
無理をいふて
困らせては
成りませぬと
教ゆれば、
困らせる
處か、お
峯聞いて
呉れ、
歳は八つなれど
身躰も
大きし
力もある、
我が
寐てからは
稼ぎ
人なしの
費用は
重なる、四
苦八
苦見かねたやら
まつとは
云はず
杉原さまはお廿四とやお
歳よりは
老けて
見え
給ふなり
和女は
何と
思ふぞとて
朧氣なこと
云ふて
見る
心や
流石に
通じけんお
八重一日莞爾やかに
孃さまお
喜び
遊ばす
事あり
當てゝ
御覽じろと
久し
振りの
戯れ
言さりとは
餘りに
廣すぎて
取り
處が
分らぬなりと
微笑ば
左らば
端を
立ちし
物の
此文には
何の
文言どういふ
風に
書きて
有るにや
表書きの
常盤木のきみまゐるとは
無情ひとへといふ
事か
岩間の
清水と
心細げには
書き
給へど
扨も/\
御手のうるはしさお
姿は申すも
更なり
御心だてと
云ひお
學問と
云ひ
欠け
處なき
御方さまに
思はれて
嫌やとはよもや
仰せられまじ
我れ
深山育ちの
身として
比べ
物になる
心は