“十年”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ととせ63.0%
じふねん18.5%
じゆうねん7.4%
じゅうねん3.7%
とお3.7%
とゝせ3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先生の御作によりてこの年月いかばかり心なぐさみしかをきこえあぐる機會のあらば嬉しからんと十年ととせに過ぎて思ひて變らず
おやおやとの許嫁いひなづけでも、十年じふねんちか雙方さうはう不沙汰ぶさたると、一寸ちよつと樣子やうすわかかねる。いはん叔父をぢをひとで腰掛こしかけた團子屋だんごやであるから、本郷ほんがうんで藤村ふぢむら買物かひものをするやうなわけにはゆかぬ。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
著者ちよしや七年前しちねんぜんたときは、つぎの大噴火だいふんかは、あるひ十年じゆうねん以内いないならんかとの意見いけんおほかつたが、このとし九月三十日くがつさんじゆうにちたときは、大噴火だいふんか時機じき切迫せつぱくしてゐるようにおもはれた。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
清洲のおしろで十年じゅうねん春秋はるあきをすごしまするあいだ、あけくれおくがたのおそばをはなれず、月ゆき花のおりにふれて風流のお相手をつとめまして、ひとかたならぬ御恩をこうむりましたのも
盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
私とはたった十年とおしかちがいはないのだが——それらがみんな今更大きな誤りだったように思われて……私はだんだん、したたか酔っぱらってしまった時のように
父を失う話 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
阿古屋の珠は年古りて其うるみいよいよ深くその色ますますうるはしといへり。わがうた詞拙くふしおどろおどろしく、十年とゝせ經て光失せ、二十年はたとせすぎてにほひ去り、今はたその姿大方散りぼひたり。
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)