“莞然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にっこり25.0%
くわんぜん25.0%
にこにこ25.0%
にっこ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
莞然にっこりともせず帽子も被ッたままで唯鷹揚おうよう点頭てんとうすると、昇は忽ち平身低頭、何事をか喃々くどくどと言いながら続けさまに二ツ三ツ礼拝した。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「狐と間違へられては大変ですネ」と篠田は莞然くわんぜんわらひ傾けつ、かまちに腰打ち掛けて雪にこほれる草鞋わらぢひも解かんとす
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
おもむろに質問すべき事こそあれと、あらかじめその願意を通じ置きしに、看守は莞然にこにこ笑いながら、細君さいくんを離したら、困るであろう悲しいだろうと、またしても揶揄からかうなりき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
さざい壺々口つぼつぼぐち莞然にっこと含んだ微笑を、細根大根に白魚しらうおを五本並べたような手が持ていた団扇で隠蔽かくして、はずかしそうなしこなし。文三の眼は俄に光り出す。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)