“喃々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なんなん63.6%
なん/\13.6%
くどくど4.5%
くよ/\4.5%
のうのう4.5%
のう/\4.5%
ひそひそ4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
転宅の事を老人に語るも無益むやくなり、到底その意に任せて左右せしむ可き事に非ずとて、夫婦喃々なんなんの間に決したることならんなれども
新女大学 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
これがために昨夜ゆうべいへけて、いましがた喃々なん/\としてわかれてた、若旦那わかだんな自身じしん新情婦しんいろ美女びぢよで、婦人ふじん其處そこ兩々りやう/\紅白こうはく咲分さきわけてたのである。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
莞然にっこりともせず帽子も被ッたままで唯鷹揚おうよう点頭てんとうすると、昇は忽ち平身低頭、何事をか喃々くどくどと言いながら続けさまに二ツ三ツ礼拝した。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
見れば幾許いくら大家の由緒ゆゐしよある家のといふても町人は町人だけで詮方せんかたなし必ず喃々くよ/\思ふなよとはげましながら父親も同じ袂をうるほはしぬ娘はやう/\顏を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
小脇に弓矢をかかへしまま、側目わきめもふらず走り過ぎんとするに。聴水は連忙いそがわしく呼び止めて、「喃々のうのう、黒衣ぬし待ちたまへ」と、声をかくれば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
喃々のう/\かどを叩きて、今やくると待侘まちわぶれども、内には寂然として聲なし。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
勘定して来ると沢山ありますが、一番お春に心配さしたのは、桜子の寝室から、夜半過ぎになると、何やら喃々ひそひそと語る声や、忍び笑いの声が漏れて来ることでした。