“ひそひそ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
密々74.2%
窃々9.7%
秘々6.5%
喃々3.2%
秘鼠秘鼠3.2%
竊々3.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人は、裏畑の中の材木小屋に入つて、積み重ねた角材にもたれ乍ら、雨に湿つた新しい木の香を嗅いで、小一時間許りも密々ひそひそ語つてゐた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
校長が出て来て壇の上に立つた。密々ひそひそと話声が起りかけた。健は背後うしろの方から一つ咳払ひをした。話声はそれでまた鎮つた。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
先に立つた女児等こどもらの心々は、まだ何か恐怖おそれに囚はれてゐて、手に手に小い螢籠を携へて、密々ひそひそと露を踏んでゆく。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
夜は書きものやら書見やらなし、十一時半頃就寝し、それより二人窃々ひそひそ相話し、何やら分り申さず候えども、その声は二時過ぎまで聞え申し候。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
淼々びょうびょうたたえられた湖の岸には町の人達、老若男女が湖水をはるかに見渡しながら窃々ひそひそ話に余念がない。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
四本立っている御柱のその一本を指しながら窃々ひそひそ噂しているのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
周匝めぐりには五六人の男の児が立つて居て、何か秘々ひそひそと囁き合つて居る。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
会計報告が、つつましやかに、秘々ひそひそと示された。
遠藤(岩野)清子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
勘定して来ると沢山ありますが、一番お春に心配さしたのは、桜子の寝室から、夜半過ぎになると、何やら喃々ひそひそと語る声や、忍び笑いの声が漏れて来ることでした。
暫くの間私を案内した男は其の宿の内儀と、——多分斯う想像するのですが、——周旋料に就いて小声で秘鼠秘鼠ひそひそと相談し合って居る様子でありました。
陳情書 (新字新仮名) / 西尾正(著)
近付くまゝにうちの様子を伺えば、寥然ひっそりとして人のありともおもわれず、是は不思議とやぶれ戸に耳をつけて聞けば竊々ひそひそささやくような音、いよいよあやしくなお耳をすませばすすなきする女の声なり。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)