“こそこそ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
狐鼠狐鼠53.8%
狐鼠々々23.1%
孤鼠孤鼠7.7%
密々7.7%
窃々7.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
民子は狐鼠狐鼠こそこそと僕の所へ這入ってきて、小声で、私は内に居るのが一番面白いわと云ってニッコリ笑う。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「どいつも、此奴も、ろくでもねえくずばかり。何だって、俺あ、あんな狐鼠狐鼠こそこそ野郎ときたねえ、血などめ合って、義兄弟になったんだろう」
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たれはばかる必要もないのに、そっと目立たぬように後方うしろ退さがって、狐鼠々々こそこそと奥へ引込ひっこんだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
その跡をながめて文三はあきれた顔……「このはずしては……」と心附いて起ち上りてはみたが、まさか跡を慕ッてかれもせず、しおれて二階へ狐鼠々々こそこそと帰ッた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
酔漢 (怖れを抱き、やむを得ず銭を老婆に与え忠太郎を振り返って、孤鼠孤鼠こそこそと逃げ去る)
瞼の母 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
お八重はいはずもがな、お定さへも此時は妙に淋しく名残惜しくなつて、密々こそこそと其事を語り合つてゐた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それでも仲々階下したにさへ降り渋つて、二人限になれば何やら密々こそこそ話合つては、袂を口にあてて声立てずに笑つてゐたが、夕方近くなつてから、お八重の発起で街路そとへ出て見た。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
なんの嘘をつけ熊坂なものか! 昼トンビの窃々こそこそだろう! おっと不可ねえ晩だっけ、晩トンビなんてあるものじゃァねえ。どっちみち好かねえ爺く玉さね。帰ってくんな。帰れってんだ! それとも用でもあるのけえ。お合憎様ご来客だ。
天主閣の音 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)