喃々なん/\)” の例文
これがために昨夜ゆうべいへけて、いましがた喃々なん/\としてわかれてた、若旦那わかだんな自身じしん新情婦しんいろ美女びぢよで、婦人ふじん其處そこ兩々りやう/\紅白こうはく咲分さきわけてたのである。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二人を対手あひて喋々てふ/\喃々なん/\するだ廿六七なる怜悧れいりの相、眉目の間に浮動する青年は同胞新聞の記者の一人吾妻俊郎あづまとしらうなり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
六十劫ろくじふごふの流転をけみしても、まだ子供のやうに喃々なん/\としやべりながら、デモステネス以上の雄弁だと己惚うぬぼれるだらう。
芸術その他 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)