トップ
>
廋
>
かく
ふりがな文庫
“
廋
(
かく
)” の例文
昔の人は人に存するもの
眸子
(
ぼうし
)
より良きはなしと云ったそうだが、なるほど人
焉
(
いずく
)
んぞ
廋
(
かく
)
さんや、人間のうちで眼ほど活きている道具はない。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
また
廋
(
かく
)
さんと欲する心を示すものは、目、口、鼻など頭の頂上より足の
爪先
(
つまさき
)
に至るまで、一つとして我々の性質を現す機会とならぬものはない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
其
(
そ
)
れの
徳義
(
とくぎ
)
は——「
廋
(
かく
)
すより
露
(
あら
)
はるゝはなし」——
尚
(
な
)
ほ
言
(
い
)
ひ
換
(
か
)
へれば——「
外見
(
ぐわいけん
)
を
飾
(
かざ
)
るな、
幾
(
いく
)
ら
體裁
(
ていさい
)
ばかり
繕
(
つくろ
)
つても
駄目
(
だめ
)
だ、
蛙
(
かはづ
)
の
子
(
こ
)
は
矢
(
や
)
ツ
張
(
ぱり
)
蛙
(
かはづ
)
さ」
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
孔子いわく「人いずくんぞ
廋
(
かく
)
さんや、人いずくんぞ
廋
(
かく
)
さんや」と。たぶんわれわれは隠すべき偉大なものが非常に少ないからであろう、
些事
(
さじ
)
に自己を
顕
(
あら
)
わすことが多すぎて困る。
茶の本:04 茶の本
(新字新仮名)
/
岡倉天心
、
岡倉覚三
(著)
これを
廋
(
かく
)
さんとするも、これらの機関はほとんど
裏切
(
うらぎ
)
りするかのごとく、我々の心情を現すものである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
▼ もっと見る
またこれに関連して述べたいことは、弱点の末の末まで
隠
(
かく
)
し得ないことを心得れば大いに気が澄んで来る。「
人
(
ひと
)
焉
(
いずくん
)
ぞ
廋
(
かく
)
さんや」で、
廋
(
かく
)
さんとする人はただ一人だがこれを見る人は幾千万人ある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
廋
部首:⼴
13画