かく)” の例文
閑話休題かんわきゅうだい。その太田原の宗郷さんだが、褒められて増長したんだね。いつの間にか餓鬼大将になってしまった。尤も群鶏ぐんけいの一かくさ。
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「それをかくかく)の病いというんだ」こんどは又左衛門が冷やかした、「胃のがんの出来るやつさ、藤蔓ふじづるこぶをやぶれば治る」
ひやめし物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それに、卯木と元成との、一ついの姿は、この庶民の沼底をすくッたような阿弥村では、鶏群中けいぐんちゅうの一かくみたいに、余りに人目立ってもいた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鈍骨武士のなかに置いたら群鶏ぐんけいかくともいえるほど目立つ侍だろうが、それゆえに、敢えてわしは彼を
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)