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斯
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かく
ふりがな文庫
“
斯
(
かく
)” の例文
内山君
(
うちやまくん
)
足下
(
そくか
)
、
先
(
ま
)
づ
此位
(
このくらゐ
)
にして
置
(
お
)
かう。さて
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
くに
僕
(
ぼく
)
は
戀
(
こひ
)
其物
(
そのもの
)
に
隨喜
(
ずゐき
)
した。これは
失戀
(
しつれん
)
の
賜
(
たまもの
)
かも
知
(
し
)
れない。
明後日
(
みやうごにち
)
は
僕
(
ぼく
)
は
歸京
(
きゝやう
)
する。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
斯
(
かく
)
の如き商品の贋造は固より奸商のなす処深く咎むるに足らずと雖これを購うものの心理に至っては軽々に看過すべきに非ざるなり。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
時代も亦た
斯
(
かく
)
の如し、時代には継承したる本然の性質あり、之に臨める至粋の入つて理想となるは、其本然の質を変ふるものにあらず。
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
斯
(
かく
)
の如く山伏には
六
(
むづ
)
かしき事の御座候よし兼て
師匠
(
ししやう
)
より聞及び候に私事は未だ
若年
(
じやくねん
)
にて師匠の
跡目
(
あとめ
)
相續の儀は
過分
(
くわぶん
)
の儀なれば修驗の
法
(
はふ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何所へでも
斯
(
かく
)
の如く平気に這入り込む程、世間の広い、又世間を自分の
家
(
いえ
)
の様に心得ている男であるから、気にも掛けずに黙っていた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
つまり、極めて単純な自然物を或る一定の方法で配列すれば、そこにわれわれを
斯
(
かく
)
までも感動させるような力が生ずるのである。
アッシャア家の覆滅
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
美の切実性は日本からこそ起るのが当然である。われわれは今
斯
(
かく
)
の如き芸術を求める。われわれの祖先は斯の如きものを遺した。
美の日本的源泉
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
斯
(
かく
)
の如くよの常なる判斷法より見るときは、皆是なる衆理想は同時に皆非なるに由なく、皆非なる衆理想は同時に皆是なるに由なからむ。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
斯
(
かく
)
の如く知と愛とは同一の精神作用である。それで物を知るにはこれを愛せねばならず、物を愛するのはこれを知らねばならぬ。
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
詞の
節
(
ふし
)
によるのみならず、その
外見
(
みえ
)
によりてこれに劣らず心に訴へ、早く
憐
(
あはれみ
)
を人に起さしめんとするもそのさままた
斯
(
かく
)
の如し 六四—六六
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
探偵の事件には
往々
(
おう/\
)
斯
(
かく
)
までに意外なる事多し此一事は此後余が真実探偵社会の一員と為りてよりも
大
(
おおい
)
に余をして自ら
省
(
かえりみ
)
る所あらしめたり
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
斯
(
かく
)
のごとく汝らも外は正しく見ゆれども、内は偽善と不法とにて満つるなり。蛇よ、
蝮
(
まむし
)
の
裔
(
すえ
)
よ、なんじら
争
(
いか
)
で、ゲヘナの刑罰を避け得んや。
駈込み訴え
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
六
箇月
(
かげつ
)
足
(
た
)
らずの
短時日
(
たんじじつ
)
に
於
(
おい
)
て
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
く
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に
好結果
(
かうけつくわ
)
を
現
(
あらは
)
したと
云
(
い
)
ふことを
考
(
かんが
)
へると、
國民自體
(
こくみんじたい
)
も
非常
(
ひじやう
)
に
喜
(
よろこ
)
んで
宜
(
よ
)
いことであらうと
考
(
かんが
)
へる。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
学びし人とも覚えずしかるを
尚
(
なお
)
よく
斯
(
かく
)
の如く
一吐一言
(
いっといちげん
)
文をなして
彼
(
か
)
の
爲永
(
ためなが
)
の
翁
(
おきな
)
を走らせ
彼
(
か
)
の
式亭
(
しきてい
)
の
叟
(
おじ
)
をあざむく此の
好稗史
(
こうはいし
)
を
怪談牡丹灯籠:01 序
(新字新仮名)
/
坪内逍遥
(著)
斯
(
かく
)
のごとく重大な事件である。この重大な事件を一向知らないでいる。鉱山の規則を見よ。鉱山の規則を御承知なければ私が読んで聞かせるが
渡良瀬川
(新字新仮名)
/
大鹿卓
(著)
然
(
しか
)
るを何だ、
余
(
あま
)
り馬鹿々々しいとは
何
(
ど
)
ういう主意を以て
斯
(
かく
)
の如く
悪口
(
あっこう
)
を申すか、この
呆漢
(
たわけ
)
め、何だ、無礼の事を申さば切捨てたってもよい訳だ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
斯
(
かく
)
の如きは女の道に違うものなり、女の道は斯くある可しと、女ばかりを
警
(
いま
)
しめ、女ばかりに勧むるとは、其意を得難し。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
斯
(
かく
)
の如くする時は
啻
(
たゞ
)
に料理通の旨味にして滋養に富める食品を得るのみならず、湖畔を逍遙する貴夫人も又鱷の游泳するを見て楽む事を得べく
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
年季職人
(
ねんきしよくにん
)
の
隊
(
たい
)
を組みて
夜
(
よ
)
を
喧鬨
(
けうがう
)
の
為
(
た
)
めに
蟻集
(
ぎしう
)
するに過ぎずとか申せば、
多分
(
たぶん
)
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
壮快
(
さうくわい
)
なる
滑稽
(
こつけい
)
は
復
(
また
)
と見る
能
(
あた
)
はざるべしと
小生
(
せうせい
)
は
存候
(
ぞんじそろ
)
(一七日)
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
経済雑誌は
斯
(
かく
)
の如き時に於て起てり。其批評的、
破毀的
(
はきてき
)
の議論は善く其弊害を
鑿
(
うが
)
ちしかば天下は勢ひ之を読まざるを得ざりき。是れ其理由の二也。
明治文学史
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
天下
(
てんか
)
は
(一一)
重器
(
ちようき
)
・
王者
(
わうしや
)
は
(一二)
大統
(
たいとう
)
・
天下
(
てんか
)
を
傳
(
つた
)
ふる
斯
(
かく
)
の
若
(
ごと
)
きの
難
(
かた
)
きを
示
(
しめ
)
したる
也
(
なり
)
。
而
(
しか
)
るに
(一三)
説
(
と
)
く
者
(
もの
)
曰
(
いは
)
く
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
斯
(
かく
)
て両人とも
辛
(
から
)
ふじて世の
耳目
(
じもく
)
を
免
(
まぬ
)
かれ、死よりもつらしと思へる
難関
(
なんくわん
)
を打越えて、ヤレ嬉しやと思ふ間もなく、郷里より母上
危篤
(
きとく
)
の電報は
来
(
きた
)
りぬ。
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
この
言
(
ことば
)
は
讖
(
しん
)
をなした。
翌々夜
(
よく/\や
)
の
秋田市
(
あきたし
)
では、
博士
(
はかせ
)
を
蝶
(
てふ
)
の
取巻
(
とりま
)
くこと、
大略
(
おほよそ
)
斯
(
かく
)
の
通
(
とほ
)
りであつた。もとより
後
(
のち
)
の
話
(
はなし
)
である。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
○
斯
(
かく
)
てその
黄昏
(
たそがれ
)
にいたり、
源教
(
げんけう
)
は常より心して仏に
供養
(
くやう
)
し、そこら
清
(
きよ
)
らになし
経
(
きやう
)
を
誦
(
ず
)
し
居
(
ゐ
)
たり。七兵衛はやきたりぬ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
いずれにしても
斯
(
かく
)
の如く観察し来る時は、この屍体飜弄なる夢遊状態の存在は疑う余地なきところにして、特に通夜の習慣及び火葬の流行以前には
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
斯
(
かか
)
る読者は泥古残念帖にも誤られ易きものなれば、
斯
(
かく
)
て念には念を入れて「
念仁波念遠入礼帖
(
ねんにはねんをいれちやう
)
」を艸すること然り。
念仁波念遠入礼帖
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
或は代価も置かずして俵を奪ひ去るもあれど多人数なる故
米商客
(
こめあきうど
)
も之を
支
(
ささ
)
ゆる事を得ず、
斯
(
かく
)
の如くに横行して大阪中の搗米屋へ至らぬ
隈
(
くま
)
もなかりしが
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
此塲合に於ては此邊
道路
(
だうろ
)
なりしならん、此所より此所の間には當さに道路有りしなるべきなり
抔
(
など
)
と云ふを得れど、
斯
(
かく
)
なる塲合は决して多からさるなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
靴と一処に御手許に届く小包は、この夏から秋にかけての、
斯
(
かく
)
の如き花やかな夢と息苦しき心境の許に小生が採集しました昆虫類標本の全部であります。
女優
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
ゆくものは
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
し昼夜をわかたずと、支那の孔子様は云ったというが、全く水を見ていると心持が
異
(
ちが
)
って来る。
戯作者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
斯
(
かく
)
の如く将門思惟す、
凡
(
およ
)
そ当夜の敵にあらずといへども(良兼は)脈を
尋
(
たづ
)
ぬるに
疎
(
うと
)
からず、氏を建つる骨肉なり
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
若しキリストが説かれし純道徳と称えらるる山上の垂訓が
斯
(
かく
)
の如しであるならば其他は推して知るべしである
聖書の読方:来世を背景として読むべし
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
斯
(
かく
)
の如くして毎月数千の句を発表するのであるが、
悉
(
ことごと
)
くそれらの句は
金玉
(
きんぎょく
)
の名句であるということは出来ない。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
きの
諸
(
もろもろ
)
の
悪業
(
あくごふ
)
、挙げて数ふるなし。悪業を以ての故に、更に又諸の悪業を作る。継起して
遂
(
つひ
)
に
竟
(
をは
)
ることなし。昼は則ち日光を
懼
(
おそ
)
れ又人
及
(
および
)
諸の強鳥を恐る。
二十六夜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
アヽ罪過が戯曲、小説に於ける地位、
斯
(
かく
)
の如く重要なり。
敢
(
あへ
)
て罪過論を
艸
(
さう
)
して世上の
非
(
アンチ
)
罪過論者に
質
(
たゞ
)
す。
罪過論
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
而
(
しか
)
して
斯
(
かく
)
の如き労働者は工場主側に於ては労働者の払底を告げざる限り永久に
容
(
い
)
れられざるは勿論なり。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
然
(
しか
)
るに
希臘
(
ぎりしや
)
の
化物
(
ばけもの
)
の
多
(
おほ
)
くは
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
く
繼合
(
つぎあは
)
せ
物
(
もの
)
である。
故
(
ゆゑ
)
に
眞
(
しん
)
の
化物
(
ばけもの
)
と
言
(
い
)
ふことは
出來
(
でき
)
ないのである。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
此遺書を発見する人は、小生が之を認め候時、
傍
(
かたはら
)
の室にて妻の安眠し居たりしことを承知せられ度候。良心に責めらるる如き人は
斯
(
かく
)
の如く安眠することはあらじと存じ候。
アンドレアス・タアマイエルが遺書
(新字旧仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
斯
(
かく
)
て此大劇場の
觀棚
(
さじき
)
に對して立てる時、わが視る所は譬へば
黒洞々
(
こくとう/\
)
たる大坑に臨める如く、僅に
伶人席
(
オルケストラ
)
の最前列と高き
觀棚
(
ロオジユ
)
の左右の端となる人の頭を辨ずることを得るのみ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
逆立
(
さかだて
)
て
怖
(
こは
)
い眼に睨まれ小さくなツて手を引きぬ
嗚呼
(
あゝ
)
艶福なる者は必らず
斯
(
かく
)
の如く不運なり女運なければ幸福なり讀者諸君それいづれをか執らんと思ひ玉ふナニ女運を右に幸福を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
彼
(
かれ
)
の
惡意
(
あくい
)
を
有
(
も
)
たぬ
手
(
て
)
が
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
く
残酷
(
ざんこく
)
に
働
(
はたら
)
かされたのは、
夫婦
(
ふうふ
)
の
間
(
あひだ
)
には
僅
(
わづか
)
でも
他人
(
たにん
)
の
手
(
て
)
を
藉
(
か
)
ることに
金錢上
(
きんせんじやう
)
の
恐怖
(
おそれ
)
を
懷
(
いだ
)
かしめられたからであつた。
女房
(
にようばう
)
はそれでも
死
(
し
)
なゝかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
さらば起たむ、この力ある身と肉を陣頭の戦渦に
曝
(
さら
)
さむ、可ならずや、と。
斯
(
かく
)
の如くして彼は、帝室劇詩人の栄職を捨て、父母を離れ、恋人に
袂別
(
べいべつ
)
して、血と剣の戦野に奮進しぬ。
渋民村より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
故ニ
斯
(
かく
)
ノ如キ政府ヲ廃却シテ後来ノ安全ヲ固クスルハ、人ノ通義ナリ、
亦
(
また
)
人ノ職掌ナリ。○方今我諸州
正
(
まさ
)
シク此ノ難ニ罹レルガ故ニ、政府旧来ノ法ヲ変革スルハ諸州一般止ム得ザルノ急務ナリ。
アメリカ独立宣言
(新字旧仮名)
/
トマス・ジェファーソン
(著)
検事はまず、事実は極めて明瞭なる事を述べ、ついで、
斯
(
かく
)
の如き犯罪を行って、なお且つ天地に恥ずるを知らざる被告人の厚顔無恥を
罵
(
ののし
)
った結果、法律の許す範囲の極刑を求めたのであります。
彼が殺したか
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
初雪の積りたるをそのまゝにおけば、再び
下
(
ふ
)
る雪を添へて一丈にあまる事もあれば、一度
降
(
ふれ
)
ば一度掃ふ(雪浅ければのちふるをまつ) 是を
里言
(
さとことば
)
に
雪掘
(
ゆきほり
)
といふ。土を
掘
(
ほる
)
がごとくするゆゑに
斯
(
かく
)
いふなり。
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
池田屋に赴かんとして、途中
斯
(
かく
)
の如し、遺憾に堪へずと答ふるのみ
大衆維新史読本:07 池田屋襲撃
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
芸術は
斯
(
かく
)
の如き動機において作ることになって始めて尊い。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
斯
(
かく
)
の如く僕の公憤心?は幼にして衆に優れていたらしい。
青バスの女
(新字新仮名)
/
辰野九紫
(著)
斯
(
かく
)
してめでたく骸骨島の冒険も終ったのである。
骸骨島の大冒険
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
晝既に
斯
(
かく
)
の如きを——、夕暮が
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
斯
漢検準1級
部首:⽄
12画
“斯”を含む語句
斯様
僂麻質斯
斯々
如斯
螽斯
波斯
莫斯科
斯樣
斯道
窒扶斯
腸窒扶斯
瓦斯
瓦斯灯
斯般
瓦斯暖炉
俄羅斯
斯如
水素瓦斯
瓦斯燈
毒瓦斯
...