その年の秋の、重々しい雲が空に低く垂れ懸った、ものうい、暗い、ひそりとした日のことである。私は終日、たった独り馬に跨って怪しく荒れ果てた田舎路を通って行った。そうして日脚が傾いた時分に、ようよう陰鬱なアッシャアの邸が見える所まで辿り着いた。 …
著者 | エドガー・アラン・ポー |
翻訳者 | 谷崎潤一郎 |
原題 | THE FALL OF THE HOUSE OF USHER |
初出 | 「社会及国家 第五十七号、第五十八号」一匡社、1918(大正7)年7月15日、8月19日 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約8分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約13分(300文字/分) |