“亡(かく)” の例文
お亡(かく)れになった姫君の代わりにほしいと、物の数でもございません方のことさえも宇治の弁の尼からお言わせになりましてございます。
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
知らない事とてお吊(とむら)いにも出ませんで、嘸(さぞ)まア御愁傷で、あなたが此方(こちら)へ入らっしって御安心になってお亡(かく)れで、本当にまア旦那様は毎度御贔屓にして招(よ)んで下すっても
「お亡(かく)れになってから、どうかして夢の中ででもお逢(あ)いしたいと私はいつも思っているのに少しも出ておいでにならないのですよ」
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
さア大(おほ)いに驚(おどろ)いて、早速(さつそく)多助(たすけ)の家(うち)へ行(い)つて、番頭(ばんとう)に掛合(かけあ)ふと、番頭(ばんとう)は狡(ずる)い奴(やつ)だから、そんなものはお預(あづか)り申(まう)した覚(おぼ)えはござりませぬ、大旦那様(おほだんなさま)お亡(かく)れの時お遺言(ゆゐごん)もございませぬから上(あげ)る事は出来(でき)ない
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
父宮のお亡(かく)れになった時の悲しみにややまさった悲しさ恋しさに、日のたつのも悟らぬほど歎き続けているが、命数には定まったものがあって
源氏物語:50 早蕨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
國「お亡(かく)れになった」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お亡(かく)れになりました御息所(みやすどころ)の御容貌(ようぼう)に似た方を、三代も宮廷におりました私すらまだ見たことがございませんでしたのに
源氏物語:01 桐壺 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「ただ今のところ宮様はお亡(かく)れになった方同然でいらっしゃいます。おいでくださいましたことは申し上げておきました」
源氏物語:39 夕霧一 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「考え深い方でいらっしゃいまして、御兄弟のことをあまりに御心配なさいまして、みすみす病気を重くしておしまいになりお亡(かく)れになったんですよ」
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)
少将などというほどの男の妻にするのは惜しいようで、憐(あわれ)むべき人である、父宮に子と認められて成長していたなら、たとえ宮のお亡(かく)れになったあとでも
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
私の父の院がお亡(かく)れになったあとで、晩年出家をされ籠(こも)っておいでになった嵯峨(さが)の院もまた六条院ものぞいて見る者は皆おさえきれず泣かされたものです。
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
山荘に備えつけてあった琴や十三絃(げん)を出させて、こうしたたしなみはましてないであろうと残念な気のする薫は一人で弾(ひ)きながら、宮がお亡(かく)れになったのち
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「姫君が昨晩にわかにお亡(かく)れになりましたので、女房がたはだれも気を失ったようになっていらっしゃるのですよ。御用をお取り次ぎしましてもだめでしょう」
源氏物語:54 蜻蛉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「こうしておいであそばすことは非常によろしくないことでございます。お亡(かく)れになりました方をお迷わせすることになりますから、あちらへおいであそばせ」
源氏物語:39 夕霧一 (新字新仮名) / 紫式部(著)
もう確かにお亡(かく)れになったのでございます。いつまでお置きしてもよくないことでございますから、それにちょうど明日は葬式によい日でしたから、式のことなどを
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
姫君のお亡(かく)れになった悲しみは別として、この殿様がこちらにずっとおいでくださいますことに私たちはもう馴(な)らされていて、忌が済んでお帰りになることを思うと
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
お亡(かく)れになりました方の御遺志も、あなたを御信頼申して、庇護されてまいるようにということであったように心得ておりましたが、私をお許しくださいません御様子を
源氏物語:33 藤のうら葉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
父君がお亡(かく)れになっては人生に片時も生きていられるものでないという平生からの心持ちが、こんなふうな孤児になっての将来のことなどをお言いになることによって
源氏物語:48 椎が本 (新字新仮名) / 紫式部(著)
お亡(かく)れになった姫君のことがお忘れになれませんで困っていらっしゃいます時に、思いがけぬ姫君をお見つけになりまして、今では明け暮れの慰めにして奥様がお世話を
源氏物語:55 手習 (新字新仮名) / 紫式部(著)
もう京へ伴ってもよいほどに病人はなっていたが、陰陽道(おんようどう)の神のために方角がふさがり、尼君たちの住居(すまい)のほうへは帰って行かれぬので、お亡(かく)れになった朱雀(すざく)院の御領で
源氏物語:55 手習 (新字新仮名) / 紫式部(著)
祖母の大宮がお亡(かく)れになって、自分が非常に悲しんでいる時に、太政大臣はそれほどにも思わないで、だれも経験しなければならぬ尊親の死であるというふうに見ていて
源氏物語:39 夕霧一 (新字新仮名) / 紫式部(著)
お亡(かく)れになりました宮様も、珍しい同情をお寄せくださる方だと始終喜んでばかりおいでになりましたし、今になっては何でも皆御親切におすがりするほかもない私たちで
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「お話ししてもかいのないことでございますよ。奥様はもう早くお亡(かく)れになったのですよ」
源氏物語:22 玉鬘 (新字新仮名) / 紫式部(著)
御息所のお亡(かく)れになったのを悲しむことと宮様のいつまでも御冷淡であらせられるのを
源氏物語:40 夕霧二 (新字新仮名) / 紫式部(著)
大納言様がお亡(かく)れになりました悲しみで私の母も病気になりまして、その後しばらくして亡(な)くなりましたものですから、二つの喪服を重ねて着ねばならぬ私だったのでございます。
源氏物語:47 橋姫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ご存じではございますまい、ただいま藤(とう)大納言と申し上げます方のお兄様で、衛門督(えもんのかみ)でお亡(かく)れになりました方のことを何かの話の中ででもお聞きになったことがございますでしょうか。
源氏物語:47 橋姫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「そのお好みには遠いように思われません方の、お亡(かく)れになったことが残念で」
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
しまいには御主人としてお仕えする方についておいでになる方と思いまして呑気(のんき)にして来たのですが、お亡(かく)れになってはじめてあなたがたにもいろいろと御心配をお掛けしたことが相済まぬ
源氏物語:54 蜻蛉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ただ御自分のお口からお言いにならなかったことを、お亡(かく)れになってからおしゃべりするのは済まないような気がしただけでございます。御両親はずっと前にお亡(な)くなりになったのでございます。
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
奥様がお亡(かく)れになって近いころに中将の君と言っておりました、よい女房で、性質などもよい人を、宮様はかりそめなように愛人にあそばしたのを、だれも知った者はございませんでしたところ
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
お亡(かく)れになった少弐は人情味のたっぷりとあるりっぱなお役人でしたからぜひ御懇親を願いたいと思いながら、こちらの尊敬心をお見せできなかったうちにお気の毒に死んでおしまいになったから
源氏物語:22 玉鬘 (新字新仮名) / 紫式部(著)
どうしてもお亡(かく)れになった奥様を忘れられなく思召(おぼしめ)してね。
源氏物語:22 玉鬘 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「以前の八の宮様の姫君で、右大将が通って来ておいでになった方が、たいした御病気でもなしににわかにお亡(かく)れになったといってこの辺では騒ぎになっております。そのお葬式のお手つだいに行ったりしたものですから昨日は伺うことができませんでした」
源氏物語:55 手習 (新字新仮名) / 紫式部(著)