かく)” の例文
「可哀そうな病人でございます。癩病らいびょう脱疽だっそ労咳ろうがいかく、到底なおる見込みのない病人達でございます」これが松虫の返辞であった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「それをかくかく)の病いというんだ」こんどは又左衛門が冷やかした、「胃のがんの出来るやつさ、藤蔓ふじづるこぶをやぶれば治る」
ひやめし物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
二十七日明クルヲ待ツテ客館ニ入ル。江都ノ訃来ル。始メテ母氏ぼし本月十九日ヲ以テ没シタルヲ知ル。コレヨリ先母氏かくヲ患ヒタリ。余児輩じはいト商量シマサニ起程きていヲ緩クセントス。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)