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郭
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かく
ふりがな文庫
“
郭
(
かく
)” の例文
五条総門の大路をへだて、探題ノ庁は、南北二
郭
(
かく
)
にわかれていた。ちょうど、江戸時代の制度に、北町奉行と南町奉行があったように。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
丸の内の一
郭
(
かく
)
、
赤煉瓦
(
あかれんが
)
貸事務所街のとある入口に、宗像研究室の
真鍮
(
しんちゅう
)
看板が光っている。赤煉瓦建ての一階三室が博士の探偵事務所なのだ。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
前線の兵は貧乏人の
伜
(
せがれ
)
ばかりだ。俺達は、ものこそ云えないが、命を賭けているんだ。孫伍長は、あの晩も、もう少しで
郭
(
かく
)
を
殴
(
なぐ
)
るところだった。
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
ただ数百の兵営を国中に設け三里の城、七里の
郭
(
かく
)
、飛鳥も越ゆるあたわざるの堅固なる
塁柵
(
るいさく
)
を築き、砲台を設け、数十艘の甲鉄艦は
旭日
(
きょくじつ
)
の旗章を五大州各地の港湾に翻々たらしめ。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
「いやこんなに集まったのは始めてだろう。けれど職屋敷の一
郭
(
かく
)
ときたらたいへんな広さだ。建物の数でも外からではわからない」
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
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「おい
郭
(
かく
)
、何を云うんだ」
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
清盛のすがたは、水薬師の
大藪道
(
おおやぶみち
)
を通って、一軒——というよりは一
郭
(
かく
)
といったほうが正しいほど長い
土塀
(
どべい
)
の前に立っていた。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここを
開
(
あ
)
ければ、八
合
(
ごう
)
目
(
め
)
の
柵
(
さく
)
、三の
砦
(
とりで
)
、すべての
外城
(
そとじろ
)
一
郭
(
かく
)
へはむろん、
麓
(
ふもと
)
へでもどこへでも自由に通りぬけることができる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
具簡
(
ぐかん
)
はだまった。尊氏はすぐ夜来の兵たちに一
刻
(
とき
)
の睡眠をゆるし、自身はなお、一
郭
(
かく
)
の内で、軍議にはいった。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「組ではあるまい」と、書類を抱え直しながらその男は——「組の大きいのを
班
(
はん
)
という。
金鎗班
(
きんそうはん
)
なら彼方の一
郭
(
かく
)
で、禁軍
鎗隊
(
そうたい
)
の軍人ばかり住んでるところだ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここ一
郭
(
かく
)
の陣座には、
祝朝奉
(
しゅくちょうほう
)
をはじめ、
祝氏
(
しゅくし
)
の三傑とよばれる息子の祝龍、祝虎、また武芸師範の
欒廷玉
(
らんていぎょく
)
、そのほか祝一門おもなる者、ぞろッと
甲冑
(
かっちゅう
)
をならべていた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どこよりも低いせいか、地下室にも似たここの一
郭
(
かく
)
は黒煙も余り立ちこめて来ない。その代りに焔は極めて強烈に櫓の中層から下へむかって
逆落
(
さかおと
)
しに燃えひろがろうとしている。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とばかり気を
協
(
あわ
)
せて、太陽の曇りだす日が先か、ここに一
郭
(
かく
)
の盛り土を築き上げてしまうのが先か、天力勝つか、人力勝つか、とばかり二千の野武士は、寝食もわすれて働いていた。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこの一
郭
(
かく
)
には、三月十二日の合戦いらい、北条氏の奉ずる
光厳
(
こうごん
)
天皇をはじめ、以下の公卿百官が、こぞって避難してきたため、大内の皇居はいまや、そのままここに移された恰好だった。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一
国
(
こく
)
一
郭
(
かく
)
のうちに大家族となって、何年でも
敵
(
てき
)
と
対峙
(
たいじ
)
することになる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三男の
祝彪
(
しゅくひょう
)
もまた、ただ敵の怒濤の中を泳ぎ暴れただけで、宋江の姿も見ず、むなしく
郭
(
かく
)
の内へひきあげていた。——翌日も、また次の日も、変りない
襲
(
よ
)
せつ返しつの
膠着万遍
(
こうちゃくまんべん
)
といった戦況だった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やがて二人の姿が帰って行った先は、北ノ六波羅の一
郭
(
かく
)
だった。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一
郭
(
かく
)
での軍議はすぐきまった。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
郭
常用漢字
中学
部首:⾢
11画
“郭”を含む語句
郭公
輪郭
城郭
一郭
郭内
郭門
外郭
郭璞
郭子儀
郭外
郭巨
山郭公
五稜郭
郭嘉
郭汜
郭淮
郭図
奥郭
服部南郭
東郭
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