かく)” の例文
牧畜経営に一かく千金の夢もさめ、大小の開港場成金なりきんは横浜に簇生ぞくせいしていたが、父には失意の時代であったようだ。
かくのごとくして一人の打者は三打撃を試むべし。第三打撃の直球ジレクトボール(投者の手を離れていまだ土に触れざる球をいう)バットと触れざる者攫者キャッチャーよくこれをかくし得ば打者は除外アウトとなるべし。
ベースボール (新字新仮名) / 正岡子規(著)
永楽亭えいらくてい楡木川ゆぼくせんほうを記する、鬼母きぼの一剣を受くとなし、又野史やしを引いて、永楽帝楡木川ゆぼくせんに至る、野獣の突至するにい、こればくす、かくされてたゞ半躯はんくあますのみ、れんしてしかして匠を殺す
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それはこの船を占領せんりょうして、南アメリカおよびアフリカ諸国に往来して、いまだに秘密に行なわれている奴隷どれい売買をいとなんで、一かく千金をえようとしたのだ。いまその喧嘩けんか口実こうじつができた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)