“簇生”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぞくせい52.2%
そうせい47.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この池には浮藻が簇生ぞくせいしている。その繁殖力は相当なものらしく、池に舟を浮かべて人夫が藻を除去する作業をしているのをよく見かける。
犬の生活 (新字新仮名) / 小山清(著)
「親分」とよばれる特殊な権力家は、新しい江戸には今、彼のほかにも、簇生ぞくせいしてきた。しかし彼はその中でも顔のひろい「親分」であった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
右を見ても左を見ても箆を束ねたように簇生そうせいした篁の中では、眼なんか無くとも一向差支はない、有れば近眼でも遠視眼でも持ち合せの者で沢山だ。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
少しおくれて、それまでは藤棚から干からびた何かの小動物の尻尾のように垂れていた花房が急に伸び開き簇生そうせいしたつぼみが破れてあでやかな紫の雲を棚引かせる。
五月の唯物観 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)