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簇生
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ぞくせい
ふりがな文庫
“
簇生
(
ぞくせい
)” の例文
この池には浮藻が
簇生
(
ぞくせい
)
している。その繁殖力は相当なものらしく、池に舟を浮かべて人夫が藻を除去する作業をしているのをよく見かける。
犬の生活
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
「親分」とよばれる特殊な権力家は、新しい江戸には今、彼のほかにも、
簇生
(
ぞくせい
)
してきた。しかし彼はその中でも顔のひろい「親分」であった。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その壁は、雨もりのあとが不思議な模様のように見えていて、どうかすると、一寸法師のような形をした、灰いろの
蕈
(
きのこ
)
が一面に
簇生
(
ぞくせい
)
したりした。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
梨
(
なし
)
の葉に病気がついて黄色い
斑紋
(
はんもん
)
ができて、その黄色い部分から一面に毛のようなものが
簇生
(
ぞくせい
)
することがある。
自由画稿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
鏡花、一葉、風葉、宙外、蘆花、秋声、不倒などといふ創作家と、樗牛、桂月、嶺雲などといふ評論家が雨後の筍のやうに
簇生
(
ぞくせい
)
して、小説と評論とを書いた。
明治文学の概観
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
▼ もっと見る
被毛 短く滑らかにして密なるも、腰部のみ長毛
簇生
(
ぞくせい
)
す。銀黄褐色または杏色、または暗き黄褐色なり
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
この川に添うて、またかのすかんぽが
簇生
(
ぞくせい
)
して居り、幼年の者しばしばそれを
嗜
(
たしな
)
むのである。花の莖の太く短く、
青女
(
あををんな
)
の
前膊
(
ぜんぱく
)
の如き感じを與へるのが最も佳味であつた。
すかんぽ
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
ただ真黒な縦隊に、笠だけが
茸
(
きのこ
)
の
簇生
(
ぞくせい
)
したように続いている。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
牧畜経営に一
攫
(
かく
)
千金の夢もさめ、大小の開港場
成金
(
なりきん
)
は横浜に
簇生
(
ぞくせい
)
していたが、父には失意の時代であったようだ。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
頂上を見ると黄色がかった小さい花が
簇生
(
ぞくせい
)
しているが、それはきわめて
謙遜
(
けんそん
)
な、有るか無きかのものである。
病室の花
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
たとえば被毛の点……短く滑らかにして密なるも腰部のみ長毛
簇生
(
ぞくせい
)
す、とベナビデスはこう書いておりますが、全体の体形が成熟した婦人の半身にピッタリと適合したくらいの、巨大な犬の上半身が
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
そこの辻を、石川河原の方へ下がった所に、戦場が生んだ“
俄
(
にわ
)
か
市
(
いち
)
”がこつねんと
菌
(
きのこ
)
みたいに
簇生
(
ぞくせい
)
していた。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それが見るまに大きくなり、その中心から新しい芽が泉のわくようにわき上がり延び上がった。延びるにしたがって茎の周囲に
簇生
(
ぞくせい
)
した葉は上下左右に奇妙な運動をしている。
春六題
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
“簇生”の意味
《名詞》
植物などが群がって生じること。群生。叢生。
(出典:Wiktionary)
簇
漢検1級
部首:⽵
17画
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
“簇”で始まる語句
簇
簇々
簇出
簇立
簇葉
簇擁
簇然
簇集
簇雲
簇団