“隣席”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
となり64.3%
りんせき35.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
哲学者は冷たい眼でじろり隣席となりの軍鶏を睨み/\してゐたが、黙つて懐中ふところから金貨を一つ取り出して、かちりと卓子テーブルの上に置いた。
繃帶はうたいのぞいたくちびるが、上下うへしたにべろんといて、どろりとしてる。うごくと、たら/\とうみれさうなのが——ちやういてた——わたしたちの隣席となりへどろ/\とくづかゝつた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
父は食事の間、彼女の横に席をめて、もちまえの優美で落着きはらった慇懃いんぎんさで、隣席りんせきの令嬢のお相手をつとめていた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
そのうち、隣席りんせきにいた、副監督ふくかんとくのM氏が、ぼくに、御愛用ごあいようの時価千円ほどのコダックをわたして便所に行ったそうです。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)