隣席りんせき)” の例文
父は食事の間、彼女の横に席をめて、もちまえの優美で落着きはらった慇懃いんぎんさで、隣席りんせきの令嬢のお相手をつとめていた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
そのうち、隣席りんせきにいた、副監督ふくかんとくのM氏が、ぼくに、御愛用ごあいようの時価千円ほどのコダックをわたして便所に行ったそうです。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
長い二本の足をきちんとそろえて立てて、蝗はつつましくあの太った紳士の隣席りんせきに、その太った紳士よりは、ずっと紳士らしく行儀よく乗っかっている。
蝗の大旅行 (新字新仮名) / 佐藤春夫(著)
僕は、ふと博士のことが気にかかって、幕面より目を放すと、横にむいて隣席りんせきの博士の様子をうかがった。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
えゝ卒爾そつじながら手前は此の隣席りんせきに食事を致して、只今帰ろうと存じてると、何か御家来の少しの不調法をかどに取りまして、暴々あら/\しき事を申掛け、御迷惑の御様子
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)