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鄰
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となり
ふりがな文庫
“
鄰
(
となり
)” の例文
であるが、しかしこの語はすぐ前にある孔子の語、「徳孤ならず、必ず
鄰
(
となり
)
あり」を
反駁
(
はんばく
)
した形になっている。何か
由
(
よし
)
ありげである。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
つい、
鄰
(
となり
)
に
居
(
ゐ
)
た
十四五人
(
じふしごにん
)
の、
殆
(
ほとん
)
ど
十二三人
(
じふにさんにん
)
が
婦人
(
ふじん
)
の
一家
(
いつか
)
は、
淺草
(
あさくさ
)
から
火
(
ひ
)
に
追
(
お
)
はれ、
火
(
ひ
)
に
追
(
お
)
はれて、こゝに
息
(
いき
)
を
吐
(
つ
)
いたさうである。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
すると菊池は
苦笑
(
くせう
)
しながら、
鄰
(
となり
)
にゐた奥さんにパラソルを返した。僕は
早速
(
さつそく
)
文芸論の代りに
菊池
(
きくち
)
の放心を攻撃した。菊池の降参したのはこの時だけである。
続澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
涼しさや庭のあかりは
鄰
(
となり
)
から
自選 荷風百句
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
其
(
そ
)
の
鄰
(
となり
)
、
其
(
そ
)
の
鄰
(
となり
)
、
其
(
そ
)
の
上
(
うへ
)
、
其
(
そ
)
の
下
(
した
)
、
並
(
なら
)
んで、
重
(
かさな
)
つて、
或
(
あるひ
)
は
青
(
あを
)
く、
或
(
あるひ
)
は
赤
(
あか
)
く、
或
(
あるひ
)
は
黒
(
くろ
)
く、
凡
(
およ
)
そ
臼
(
うす
)
ほどの、
變
(
へん
)
な、
可厭
(
いや
)
な
獸
(
けもの
)
が
幾
(
いく
)
つともなく
並
(
なら
)
んだ。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
僕は
曹達
(
ソオダ
)
水の中にウイスキイを入れ、黙って一口ずつ飲みはじめた。僕の
鄰
(
となり
)
には新聞記者らしい三十前後の男が二人何か小声に話していた。のみならず仏蘭西語を使っていた。
歯車
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
行年
(
ゆくとし
)
や
鄰
(
となり
)
うらやむ人の声
自選 荷風百句
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
荷
(
に
)
と
荷
(
に
)
を
合
(
あは
)
せ、ござ、
筵
(
むしろ
)
を
鄰
(
となり
)
して、
外濠
(
そとぼり
)
を
隔
(
へだ
)
てた
空
(
そら
)
の
凄
(
すさま
)
じい
炎
(
ほのほ
)
の
影
(
かげ
)
に、
目
(
め
)
の
及
(
およ
)
ぶあたりの
人々
(
ひと/″\
)
は、
老
(
おい
)
も
若
(
わか
)
きも、
算
(
さん
)
を
亂
(
みだ
)
して、ころ/\と
成
(
な
)
つて、そして
萎
(
なえ
)
たやうに
皆
(
みな
)
倒
(
たふ
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それから警察署の
鄰
(
となり
)
にある
蝙蝠傘屋
(
かうもりがさや
)
も——傘屋の
木島
(
きじま
)
さんは
今日
(
こんにち
)
でも僕のことを覚えてゐてくれるであらうか? いや、木島さん
一人
(
ひとり
)
ではない。僕はこの
界隈
(
かいわい
)
に住んでゐた
大勢
(
おほぜい
)
の友だちを覚えてゐる。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
鄰
部首:⾢
16画
“鄰”を含む語句
鄰家
近鄰
右鄰
向三軒両鄰
朝鄰
村田桃鄰
盧照鄰
鄰人
鄰國
鄰村
鄰近処