続澄江堂雑記ぞくちょうこうどうざっき
一夏目先生の書 僕にも時々夏目先生の書を鑑定してくれろと言ふ人がある。が、僕の眼光ではどうも判然とは鑑定出来ない、唯まつ赤な贋せものだけはおのづから正体を現はしてくれる。僕は近頃その贋せものの中に決して贋にものとは思はれぬ一本の扇に遭遇した …