“雅号”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
がごう66.7%
ががう33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そうかねえ、でもちょっとおかしいよ君、——君、この与一は雅号がごうではないだろうね。本名は小松世市、こう書くンだろう」
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
最後に運平老は「鉄庵居士」と書いて筆をいたが、この四字だけは、恭一にも次郎にも見覚えがあり、それが運平老の雅号がごうだということも以前からわかっていた。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
しかし雅号ががうと言ふものはやはり作品と同じやうにその人の個性を示すものである。菱田春草ひしだしゆんさうは年少時代には駿走しゆんそうの号を用ひてゐた。年少時代の春草は定めし駿走らしかつたであらう。
続澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
日本の作家今は多く雅号ががうを用ひず。文壇の新人旧人を分つ、ほとんど雅号の有無を以てすれば足るが如し。さればさきに雅号ありしも捨てて用ひざるさへ少からず。雅号の薄命なるもまた甚しいかな。